「あ、どこ行ってたの加奈子?」
二つのボックスの席に渡って行われていた大富豪大会は幕を閉じていたらしく、参加者は恵美と弘樹を除いて皆夢の世界に旅立っていた。
+ Read More
頑丈そうな手すりにつかまり、お尻を上げる格好の加奈子。涼はそれに股間を押し付けるようにして引っ付き、「ふぅふぅ」と息を荒げていた。
+ Read More
閑散期の、しかも田舎と田舎を結ぶ新幹線は驚くほど空いている。
帰省の頃ならともかく、それ以外の時期はガラガラ。それは自由席も同じで、出張らしいサラリーマンが席を三つ使って高いびき。
学生風の子は携帯を取り出し、「お電話はラウンジで~」のアナウンスを無視して通話中。
そのほかといえば携帯端末で動画を見たりと、周りに気を遣うそぶりもなく、自分の空間に浸っていた。
そのおかげだろうか?
+ Read More
男女七名の大所帯でボックスの席は狭く、あぶれた何人かは通路に立っていた。
「ダウトーッ!」
「うっは! なんでわかるのさ……」
「へへーんだ、智也君は顔に出るんだってば」
+ Read More
帰りの新幹線では行きの興奮がウソのように鎮まりかえり、ほぼ全員が眠っていた。
中にはお土産の包みを開けてつまみ食いをするものもいたりするが、それもじきにお休みタイムに突入する。
+ Read More