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……タイッ!?_62

神社の裏で

 相模原神社の裏手の階段は以前使われていたものの今は獣道をなしている。
 もとが急な坂道であったのと境内へ向かう参道が祭り、正月用にあらたに併設されたのが理由だろう。当然、祭りのときであろうと人通りもない。


 たまの例外といえる高校生三人組は、縁日で買ったたこ焼きとソース焼きそばをつつきながら何かを話し合っていた。
 たまたまそれを後ろから一人、女子高校生が見ていただけのこと。

「……今日さ、やっちまわね?」
「マジで? やべーよ」
「いやまじで。だってよ、合宿のときもそうだったけどよ、里美のケツ、マジでうまそうだったぜ?」
「たまってたんじゃない? 俺はあんま興味ねえよ」
「なにいってんだよ。お前だってオナニーしたろうが」
「それはそうだけど、なんか最近、淡白っていうか、同じ年の女子みても燃えないんだよ……」
「は? お前インポか?」
「違う違う、こいつなんかさ……」

 体格の良い男子がひょろりとした男子を指差して笑ったあと、リーダー格の男子に耳打ちする。

「マジで? お前、熟女に目覚めたの?」
「ちげーよ。彼女は別に、熟女ってほどじゃない」
「彼女って、ぶっ、お前、大丈夫か? いや、やべーわ。マジでそれは無いって」

 抑えきれずに噴出すリーダーの男子の嘲りはとどまることを知らず、次第にひょろりとした男子も怒り出したのかすくっと立ち上がる。

「うっせーよ悟! とにかく俺はションベンくさい餓鬼に興味ないんだっつうの。別にいいだろ!」
「おい、怒るなよ。和也」
「しらねーよ」

 三人は仲違いを始めたようだが、それは女子高生の知らぬこと。ただ、三人の輪から外れようとしていた和也が彼女のほうへと進むのは予想外の出来事。

「ん、あれ? お前優?」
「優? マジで……」
「あは、奇遇だね。お祭りでしょ? 私もこれから行くところだったんだ~なんちゃって」

 精一杯おどけて言うものの男子達の眉間は緩むすきもない。

「さっきの話、聞いてたのか?」
「ちょっとだけよ? なんちゃって……」

 浴衣の襟元に手を添えて微笑むも結果は先の如し。

「おい、そいつ捕まえろよ」

 低い声でそうつぶやくのは男子のリーダー格悟。頷くと同時に手を伸ばす。先ほどまで仲たがいをしていながらも、今の状況が彼らにとって不利な事実は同じこと。そして、この展開に不都合なのは盗み聞きしていた優そのひとだった。

「待て!」
「待てといわれて待つ奴なんかいないわよ!」

 弾丸のように走り出す優と悟。取り巻きの男子も遅れながらもそれについていく。
 平均的な女子と比べれば十分に早い優だが相手は男子でしかも同じ陸上部のエース。
 さらに追い討ちをかけるのは彼女が今日は浴衣であったこと。
 薄い紅の格子模様。時代劇で言えば元気な街娘のエキストラ程度の質素な浴衣は彼女の母からのお下がり。彼女が子供のころは母親にねだり、いつか着るんだとダダをこねたこともあった。
 が、

「いや! 離してよ!」
「うるせーよ。お前が盗み聞きなんかしてんのがわりーんだよ」
「だって、こんなとこにいるなんて思わなかったし」
「俺だってお前がいるなんて思わなかったよ」
「お互い同じこと考えるなんてまあ不思議。両想いってことで、勘弁してもらえないでしょうか?」
「うっせーっつうの」
「おい、ぼうっとしてないで手伝えよ」
「え? いや、どうすんだよ……、優捕まえてさ」

 冷静になったらしい和也は悟の思惑を理解できず、真吾のほうを見る。

「サトチン、どうすんの?」

 同感だったらしい真吾も首を傾げて処置に困ってる様子。

「あのなあ、お前らやりたくねーのか?」
「なんかあったっけ?」
「さあ?」
「あほか。いいか? 俺らの計画聞かれたんだぞ? もしこれがばれたら体育の新井になにされっかわかんねーぞ? それに、最悪退学だっつうの」
「いや、別にそんな。まだ未遂だしさ」

 のんきな性格らしい和也はこれ以上物事を複雑にしたくないらしく乗り気にない。

「なあ」

 さらに真吾も急な話題に困惑しているらしく、優に話を振り出すしまつ。

「うん。私黙ってるよ」

「お前は黙ってろ。だからさ、いいか? チャンスじゃねーか。優の口封じと俺らが童貞捨てるチャンスだよ」
「え?」
「おい、まじで?」
「なんだよ、さっきまで里美襲う計画立ててただろうが」
「いや、でも、無理やりは良くないよ」

 戸惑いを隠せなくなった和也が言うと、真吾と優が頷く。

「お前らなあ。いいか? 俺らは里美のことレイプしたようなもんだろ? いまはほら、まだなんともなんねーけど、いつちくられるかわかんねーじゃん。そういうときのためにこういう切り札を取っておくんだろ? 違うか?」
「でもそれってちくられること増やしてね?」
「もっと頭使えよ。こいつをレイプしてだぞ。写メ撮れば言いにくくなるだろ? 里美がチクれば友達のほうもかわいそうな目に遭うって脅せるだろうが」
「なるほど」
「頭良いね」

 真吾に協調して頷く優に悟は力が抜けそうになるのを感じてしまう。

「そんなのだめだって!」

 本来反対するべき優を差し置いて声だかに叫ぶのは例によって和也。
 皆一様に困惑の表情を浮かべ、それぞれのトッピングを添えていた……。

続く

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