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……タイッ!?_最終話

夏も過ぎて……。

「ノリチーン! 課題手伝ってよぉー!」
「はいはい、待ってて」
「マネージャー君、タイムを計ってほしいんだけど、手伝ってくれる?」
「はい、先輩」

「マネージャー。部活日誌のことだけど、細かいことって君に任せていいよね」
「ええ、部員が練習に専念できるようにすることはマネージャーの役目ですから」

「なあ紀夫、ちょっとだけいい?」
「だめです。綾さん」
「ちぇケチ……」

 夏休みがあけてもいつもと変わらず、むしろ前より少しだけにぎやかな面もあり、どことなくしょんぼりしている相模原女子陸上部。
 マネージャーの島本紀夫はかいがいしく働きつつもどこかそわそわしていたりもする。

「ねえ、の……、君、ちょっといいかな」

 そしてもう一人。

「えと、いい? 忙しいなら後でもいいよ。部活と関係ないし」

 今は部活中だというのにも関わらず、制服姿の部員が一人。

「あのさ、大学の説明会いきたいんだけど、自転車かしてくれないかな?」
「あ……、大丈夫だよ。でも遠くない? いいよ、送ってく。今そんなに仕事ないし、んーん、今から行こう。間に合わないと困るし」

 そういうと仕事半端なままに、マネージャーは帰り支度を始める。
 夏休みを終えたばかりの彼女はすでに進路を考えているのか? もしかしたらすぐ明日の進路を考えているだけなのかもしれないが……?

「すいません。早引けしますんで、あとよろしくお願いします」
「あ、うん。わかった」

 キャプテンの久恵は彼の勢いに言葉を返せず、駐輪所に行く二人を見つめるだけ。

「おいおい、なんであたしは無視して里美は……」

 それを遠目に見つめるのは同じく陸上部のエース。

「仕方ないよ。紀夫君、彼女のこと好きみたいだし……(私はあきらめないけど)」

 記録台紙片手にぼそりとつぶやくキャプテン。

「あー、先輩ずるいんだ。理恵だってあきらめないからね」

 最近仲良くなれたが、恋は別腹な後輩が一人。

「んー、どうなんだろ。私はまあ、こうなるかなって予想してたし」

 ちょっぴり残念そうにつぶやくのは引退を間際にした二年のエース。

「先輩だって食われた一人のくせに。もうこうなったら女子陸上部被害者の会を立ち上げないと!」
「ふふふ、それで彼をどうするつもり? もしかして五Pでもするとか?」

 闘志を燃やす綾に水を差すのは紅葉。

「な、五Pだなんて、紅葉、それはちょっと……」
「私は彼と居られるなら……。我慢してもいいかも」
「久恵先輩も一緒? 三人で仲良くしても楽しいかもぉ~」
「あら、それじゃ、理恵さんのお尻、また触っちゃおうかな」
「いいよ。ノリチンを交代交代でいじめてあげようよ」
「おいおい、あたしはまだノーマルだぞ? うん」
「何がノーマルよ。合宿中だって彼と隠れてキスしてたでしょ?」
「先輩だってエッチ、してたじゃないですか」
「あれは向こうからしてきたし、大事になったら私たちも危ないでしょ? だから、しょうがなく」
「その割には先輩、相性が良かったとか言ってたじゃない?」
「それは、だから、たまたまよ」

 卑猥な話に華を咲かせる問題児四名。その様子をにやにやしながら見つめるのはやはり問題児。
 さて、その思惑はいかほどに?

 ただ、自転車を二人乗りしていま先ほど校門を出た二人には用のないこと……なのかもしれない?

 きっと、おそらくは、多分に……。

タイッ!? 完?

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