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跪かせタイッ!?_04

試行錯誤

「お願いだよ。な? 名前を貸してくれるだけでいいんだ。もしさ、何かあったら俺に脅されたとか言えばいいしな。な?」

 文芸部の一年、谷川泰治は度の強いめがねがずれるたびに神経質そうに上げなおし、眉をひそめている。

「え、でもなあ……」

 面倒ごとはごめんだという態度の彼。

「ねーえ、お願い。ね? ね? 私、男子部のマネージャーなんだけど、すごく困ってるの。ね? 泰治く~ん」

 そんなおり、彼の腕を取るのは笑顔のまぶしい、表面だけなら素敵な先輩。

「はぁ、わかったよ。ただ、何かあってもしらないからな?」

 普段泰治に声をかける女子といえば、同じ文芸部の女子ぐらい。眼鏡と三つ編、プラス二次元に恋している(彼もそうなのだが、ジャンルが違うため、話が合わない)彼女たちとは違う魅力と柔らかい感触にすっかりのぼせてしまった彼は、仕方なしに入部届けにサインをする。

「ありがとう! 私、いっぱい応援するね!」

 去っていく彼は稔はともかく紅葉に興味があるのか、彼女のほうだけちらちらと見ていた。

「よし! これで十人目ね。これだけいれば部室を借りても問題ないわね」
「ええ、ですが、先輩」
「ん? 何?」
「先輩、マネージャーになるんですか?」
「んーん? なんで?」

 しれっと答える紅葉に悪びれる様子も無い。

「だって、さっきそういったじゃないっすか!」
「んー、あの子が誰かに恋をしてるのなら、考えてあげてもいいかな?」
「なんすかそれ?」

 いまだあさってな答えをする先輩に頼もしさ半分、やりづらさを感じる稔であった。

*-*

「んで、降りたの? 許可」
「いえ、無理でした」

 放課後、練習前に倉庫手前でこっそり打ち合わせをする二人。
 稔としては優をうまくごまかすいいわけも思いつかず、彼女を巻く格好でここまで来たのだが、いかんせん埃くさい。

「なんで? だって十五人でしょ? ぎりぎりどころか余裕じゃない」
「いや、なんか、今の部室使えって。女子部が別に移動することになったから」
「女子部が? 聞いてないな」
「なんか、島本が申請出してたっぽくて」
「島本って、あのマネージャー? 何でだろ」
「なんでだろって、まあ、マネージャーだし、そういう申請とかもするんじゃないっすか?」

 ともかく、目的は結果的に果たされたわけだが、どうも腑に落ちない紅葉。彼女は首を傾げて、ここ最近の陸上部の様子を思い出す。

「少し前、彼が来て、全然素人、つか、文系なかれ。でも、里美ちゃんはお気に入り? っていうか、金魚のフンよね。ね、稔。彼のこと、探ってみてよ」
「探る? なんで?」

 すでに目的は終えている。これからは女子の下着やその類を使っての不埒な行為もやりづらくなるはず。
 にもかかわらず、紅葉は難しい顔。むしろ、彼らの変態的行為を知ったときよりも。

「あの子、匂うわ。うん、決めた。次のターゲットは彼ね。行くわよ、稔!」
「え? だって、別に」

 正直なところ、ひ弱な彼が何かできるという気がしない。もし、優が彼に襲われたとしても、おそらくは返り討ちできるだろうから。

「返事はうっす! 先輩! ね?」
「うっす、先輩」

 何かの漫画で読んだ気がするが、とりあえず弱みを握られている稔はそれに従った。

続く

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