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逃げ出しタイッ……。_6

篭絡

「で、どうして宮川さんは辞めたいの?」
「どうしてって、別に私、いなくてもいいじゃないですか」
「いなくてもって、そんなことないよ。宮川さんは大切な部員だし、毎日洗濯とかがんばってくれてるし、気が利くところあるし……」

 六月までならそうだった。けれど、もうその気持ちに戻ることはありえない。
 気持ちを蹂躙され、さらには身体を穢された。しかもこの部室で。

「とにかく嫌です!! ゴメンナサイ!!」

 話し合いは最初から拒否。うつむきながら立ち上がり、達郎の顔も見ずに叫ぶように言う雅美。

「そ、そうか、それじゃ、わかったよ。こっちこそごめん、引き止めて」

 気迫に押し返される格好で達郎は頷き、退部届けを日誌に挟む。

「なにいってんだよキャプテン。そんなんじゃなめられっぱなしだって」
「そうそう、こういうわがままが通ったら、他の部員のやる気にも影響するっす」

 急にドアが開いたと思ったら、現れたのは例の二人。
 どちらもニヤニヤしながら雅美を見ており、特に胸、膝の辺りを視姦していた。

「つかさ、この前マネージャー、ここ汚したまま帰っただろ。俺と先輩で後片付けしてったんだぞ? 何? 侘びもなしなの? お前」
「ご、ごめん。ありがと」

 視線は落としたまま。というより、原因を作ったのは目の前の男。いや二人とも共犯に近い。

「キャプテン、お前いいから練習行ってろよ、俺らで話し合っておくからさ」
「いや、でもマネージャーももう辞めるって言ってるし」
「だからさ、お前じゃなめられてんだって」

 昇は渋る達郎を力ずくで立たせると背中を叩いて追い出し、後ろ手でドアを閉め、鍵をかける。

「まったく、雅美ちゃんは悪い子だね」
「い、いや、来ないで。大声出すわよ!」

 声を出したところでどうなるのだろうか?
 退部希望者とそれを慰留する部員。
 理由は告げず、ただ声を上げたところで、誰が味方をしてくれるだろう。

「まあ、おちつけよ。座れって」

 椅子を勧める昇を雅美は見ようともしない。けれど、悟が彼女の肩を掴むと、びくりと震えたあと、それに従った。

「何? もしかして誰かになんかされたとか?」
「しらじらしいわね。あんた達が……」
「先輩なんかしました?」
「いや、俺は雅美ちゃんが日曜の試合サボるっていうから代わりにフェラしてもらっただけだぞ。お前は?」
「俺は部室でフェラしてたの黙っててやる代わりにセックスさせてもらっただけっす」
「な、くぅ……」

 二人ともごく日常の行為をこなしました程度の意識で言うので、雅美は驚くよりも先に呆れ、そして目頭が熱くなった。
 こんな二人に自分は慰み者にされ、奪われたのかと。

「マジで? つか普通部室でセックスするか? マジでマネージャー淫乱なんじゃね?」
「そっすよね、いくら休みたいからってフェラする女ですし、パンツからもザーメンの臭いするし」

 悟は雅美のロッカーから黄色とくすみのある布切れと、紺のジャージ、黒のスパッツを取り出す。

「うわ、マジで精液くせえわ。こりゃマジで淫乱だな。いっつも男の精子の臭いをぷんぷんさせてないとだめなんだろ? なあ、雅美ちゃん」

 足元に投げられたそれには染みがいくつか。彼らが掃除のときに雑巾をしぼるとも思えず、つまり、汚された部室を清掃したのは……。

「酷い、酷いです。なんでこんなこと」
「なんでって、マネージャーが汚したんだから、マネージャーので拭いただけじゃん」

 しれっとして言う悟の顔がにじんでゆがみ、もう人の顔に見えない点になる。

「そうだな、自己責任ってわけだ」
「何が自己責任よ……。私のこと、よってたかって、レイプして、酷い、酷い……」

 投げ捨てられた衣服をかき集め、一日たって生臭さの増したそれをくしゃくしゃと掴む。

「あんたたち、訴えてやる……、絶対にゆるさないんだから……」

 鼻水をすすり、嗚咽の混じる言葉に陵辱者二人は意に返す様子も無い。それどころかまた例の青い小型端末を取り出し……、

『あ、あ、だめ、やめて、い、くぅ……』

 繰り返される悲鳴のような喘ぎ声。

「雅美ちゃんだってイったんでしょ? じゃあレイプじゃないじゃん。ほら、見てよ、自分から悟にしがみついてるし」

 それは反射のようなもの。内側から爆発しそうなほどの快楽が生まれ、それに怯えた結果。といっても、誰もそれは信じてくれはしない。

「なあ、素直になれよ。雅美ちゃんもセックス気持ちよかったんだろ?」

 耳元でささやく悟に懸命に首を振る雅美。その態度に業を煮やしたのか、それとも最初からそうするつもりだったのか、悟は容赦なく髪を引っ張り、左右に揺らす。

「い、痛い痛い痛い痛い! やめて、離して! お願いやめて!」
「ああ? それなら言えよ、セックス気持ちよかったですってよお!」

 まだ破瓜の痛みは引いていない。歩くとき自然にがにまたになりそうなのを必至にこらえ、体育の授業は生理とウソをついて休んだ。

「はい、そうです。気持ちよかったです。だから、離してください!」

 しかし、頭皮から発せられる痛みには耐えられず、気持ちを裏切る言葉を出す。

「へへ、素直になればいいんだよ」

 ようやく手を離した悟の指先から、数本の髪が落ちる。

「んじゃさ、聞くけどよ。本気で辞めるつもりなの?」
「……はい」
「ああ!?」
「辞めます」
「これほどたのんでも辞めるっつうの!? お前ばかじゃねーの?」

 一度も頼まれた覚えがないのだが、雅美もこれだけは譲れないと気持ちを構える。

「まったく、しょうがねえな。じゃあ、やめる代わりにさ、やらせてよ? 生で」
「や、いや。だって、この前だって中で、もうだめよ。妊娠したらどうするのよ」

 恐れていた言葉に正面に向き直る雅美。相変わらず生理的に受け付けない顔がそこにあるが、そのにやけた面のわりに、ウソや冗談を言ってるようにも見えない。

「いいじゃん、もう処女じゃないんでしょ? それに悟とやって気持ちよかったんじゃん。雅美ちゃん淫乱っぽいし、大丈夫だって」

 根拠のない言葉をささやきながらじわりとにじり寄る昇。逃げ出そうにも両肩を悟に押さえつけられる。

「いや、嫌よ、来ないで! 誰か助けて……」

 悲鳴を上げようにも唇が震えてうまく声が出ない。

「誰も来ないよ。それよか、楽しもうぜ」

 昇のがさつな手が、濃紺のブレザーにの胸元に忍び込み、ブラウス越しに胸をまさぐる。

「ん、んぅ」

 痛みにうめいているのだ。そう自分に言い聞かせるも、昇の手つきは思った以上に柔らかい。

「お、おい。何してるんだ? ちょ、鍵閉めるなよ!」

 そんなおり、飛び込んできたのは弱気なキャプテンの声。

「島崎先輩!」

 いつもは部室にいる人程度にしか見ていない雅美だが、このときばかりは彼が救世主に見えた。

「先輩助けて、お願い!」

 ここぞとばかりに声をあげる雅美に外の達郎も異変に気づいたらしく、激しくドアを叩く。

「おい、どうする?」
「どうせキャプテンだけですよね? それなら……」

 逆転されつつある状況に眉をしかめる昇。けれど悟は余裕の表情で昇に耳打ちすると、いったん雅美のことを解放し、扉へと向かう。

「そんなに焦らないでくださいよ。キャプテン、今開けますから」

 意外にも、あっさりとドアを開け、達郎を招き入れる悟。
 達郎は汚れた衣服と椅子に座ったまま、ないている雅美を前に鼻息を荒げる。

「いったい何をしてたんだ! お前ら、後藤に知られたらただじゃすまないぞ!」

 体育会系というよりも最早格闘系といえる後藤の腕っ節は山陽高校のほぼ全員が知っていること。当然、それなりの意味を持つ……はずなのだが、昇も悟もにやにやするだけで、一向に態度を改める様子がない。

「まあま、キャプテンも聞いてくださいよ先輩、マネージャーここで何してたか知ってます?」
「ん? 何って、今はそれどころじゃ……」
「セックスですよ、セックス」

 悟は再び施錠すると、達郎にくすんだ黄色のショーツを見せ付ける。

「これ、精子ですよ。つか、臭いません? おとといからロッカーの中にあったんですよ」
「え?」

 戸惑う達郎だが、その臭いには多少記憶があるらしく、振り払うようにしたあと、視線を左右にぶれさせる。

「雅美ちゃんはさ、この部室をラブホ代わりにして男とやってんだよ」
「そんなこと、してません!」

 必至に否定しようにも、性行為を部室で行ったのは事実。

「つか先輩、なめられてますよ?」
「なにが、だ?」

 生臭さを感じた達郎は困惑しているらしく、悟との会話にも若干のタイムラグを発生させる。

「マネージャー、先輩のことバカにしてるんですよ。だから何も言わないでいきなり辞めるとか、サッカー部の応援行くから休むとか言い出すんですよ」
「でも、それは……」
「いいっすか? うちらはみんなインターハイ目指してがんばってるんすよ? そりゃ、サッカー部や野球部に比べて成果はしょぼいっすけど、んでも、マネージャーが他の部応援しにいくから陸上部の試合休みますってのはないでしょ? ありえません」
「それはそうだけど」
「こいつさ、部室でセックスしたりフェラチオしたり、ザーメン飲んだりして、マジで淫乱入ってますよ。どうせサッカー部の奴らとかと一緒にやりまくりたいんじゃないんすか?」
「そんなことしません! ねえ、キャプテン、こんな奴らのいうこと聞いてないで、誰か呼んできてください!」
「お? なんだ、キャプテン、勃起してね?」
「いや、これは……」

 前かがみになり、膨らみつつある部分を隠す達郎の様子を昇は見逃さない。彼はそのまま達郎の背後に回り、背筋をそらせるようにさせる。

「いや!」

 十分に勃起したそれはジャージのズボンにしっかりとテントを張っており、その男性のシンボルを見せられた雅美は顔を覆って視線をそらす。

「なにかまととぶってんのさ。嬉しそうにザーメン飲むくせにさ」
「あんなの、あんたが無理やり飲ませたんじゃない!」
「無理やりって、普通のまねーよ。吐くね。絶対」

 仲間というか庇ってくれそうな人が来たことに威勢を繕う雅美だが、まともに悟の顔を見ることはできそうにない。そしてそれは悟も知るところ。

「なあ、キャプテン、お前知ってるか? 影でマネージャーがお前のことなんていってるかさ」
「なんのことだ?」
「だからさ、役立たずとかさ、どうせ彼女のいない童貞だとか、かなり哂ってるらしいぜ?」
「ウソ、そんなことしません。先輩、信じてください」
「それにさ、ほとんど挨拶だってしないだろ? こっちみないで誰かきたらただ「おはようございます」ってだけだし、まじでこいつ俺らをなめてんだよ」

 それは確かに事実。すでに心が陸上部から離れているのだから当然のこと。

「だからさ、ここはキャプテンからガツンといってやってくれないと」
「それは、まあ、あとで言っておくよ。……というか、話をそらすなよ」
「キャプテンこそ、アソコそらせてよく言うよ」

 下品な冗談にげらげらと笑う二人。達郎は自分が笑われたように思ったのか、顔を真っ赤にしてうつむく。
 その様子を見て、雅美はこの状況が打開できるのかと不安になる。
 この二人の目的はおそらく性処理。そして、もしかしたら……。

「なあ、キャプテンもどうです? 俺らと一緒に楽しみましょうよ」
「は? なに言ってんだ、つか昇、離せよ」

 両腕を羽交い絞めにされる達郎はじたばたともがくが、重量の関係でその締め付けははずせない。

「まあまあ、そんな暴れないで……」

 暴れる男のズボンを下ろし、テントの柱を暴く。

「うわ、キャプテンもうだらだらじゃん。つか、期待してたとか?」
「そんな、バカな……」

 いつも顔を合わせている女子。顔はそこそこ可愛らしいほう。最近生意気になり始めていたのは自分も知るところ。そして身体がよい感じに育っているのも、夏の部活で十分に知っている。
 何度か妄想の中でお世話になったこともある。
 そんな相手。

「さて、お次はと……」
「いや、来ないでよ、来ないで!」

 悲鳴を上げるも動けない雅美。悟は嫌がる彼女のスカートをめくり、小さなリボンのついた水色のショーツを引きちぎるように下ろす。

「いやぁ……、やめてぇ」

 か細い声で訴えるも、どの男にも届かない。

「なあ、おい、やめようぜ。こんなことばれたら停学、下手したら退学……」
「だからこそやる価値があんだよっと」

 無理やり前進させる昇と、それほど抵抗を見せない達郎。

「いや!」

 続く行為を予想した雅美は無駄とわかっていても最後の抵抗を見せる。

「おっと、逃げんなっつーの!」

 そしてまた髪を引っ張られ、痛みに従わせられる屈辱のフロー。

「さてさて、キャプテンの処理をしてもらおうかっと!」

 抵抗する雅美の両足に背後から腕を回し、そのまま秘裂を見せ付けるように抱え上げる悟と、達郎を近づける昇。

「へへ、キャプテンも抵抗しろよ」
「な。俺は!」
「もう全然抵抗してねえじゃん。本当はやりたいんだろ? 雅美ちゃんとよ」
「キャプテン……」
「違う、俺は無理やり、信じてくれ!」

 羽交い絞めにされるだけの達郎のそれが彼女の割れ目に向かう可能性は?
 そこには他人の意思など及ぶはずもなく、ちゅぷっと音を立ててキスをする亀頭とクレバスは、少なくとも一方が乗り気であることを示す。

「んぅ」

 そして女の口から甘いといき。

「ほら、聞きました? マジで淫乱っしょ? マネージャーは淫乱だからいきなりされてもすぐよがるんっすよ!」

 たった一言の気の緩みを取り、まくし立てる悟。

「マネージャー、ほんとなのか?」

 そして自分を騙そうとする達郎。

「ほんともなにもさっきから言ってんじゃん。雅美ちゃんは男を見ると咥えたくなる変体マンコの持ち主なんだからってさ」
「そうそ、だからキャプテンの顔も見れないんすよ。いつもセックスしたっくて、でもいえなくて、可哀相なことしてきましたね」

 むちゃくちゃ言う二人はそのまま間の二人の距離をせばめさせていく。

「ん、あぁ、うぅん! あんあん、やだぁ、キャプテンのがはいってくるぅ!」

 甘い吐息、甘い呻き、甘い刺激。
 それらが達郎の中にある欺瞞を加速させ、倫理を封じてしまう。

「雅美ちゃん、君は本当に淫乱なのかい? そうなんだ……ね!」

 亀頭を包み込む柔らかで、でこぼことした膣。
 最初は自分の垂れ流すモノで滑っていたと思っていた達郎だが、奥のほうを二、三度つつくとそれは徐々に緩やかになり、滑らかになっていく。

「う、雅美ちゃんの中、すごく、いい。なんか知らないけど、でも、すっごく、ぬるってしてて、俺の、うわ、きもちいい!」

 達郎は昇を振り払い、雅美へとのめりこむ。悟はこれ以上支えても重いだけと雅美を達郎に預け、そのまま二人の交尾を観察しだす。

「いや、やめて、キャプテン、もう、ゆるして」
「だめだ! マネージャーは最近、仕事、いい加減だし! 俺のこと、バカにしやがって! だから! おしおき! してやるんだ!」

 都合のよい言い訳を持ち出し、スクワットでもするかのように腰を突き立てる達郎。雅美もふりおとされまいと彼にしがみつくが、それが彼の気持ちを興奮させ、行為をよりエスカレートさせていく。

「はぁはぁ、雅美ちゃん、部室でセックスするなんて! なんて大胆なんだ! 君は、やっぱり、やりまんなんだね……、悪い子だ、スケベな子だ!」
「そんなこと、そんなことないもん! 私は、無理やり! あん、あんあんあん!! やぁ、くぅうう!」

 ぎゅっと抱きつき、互いの頬をこすりあわせる。

「うぅ、くぅ! あ、いい、イク。うぁあ……」
「や、んぅ、んぁ、い、あ、あんあんあんあん! やぁ! だめ、いい、いいの」

 耳元に吹きかけられる音は甲高くなり、課あだのおくから沸き起こる快感はもう自分をごまかせない。
 せめて目を瞑っている間は誰のことを想像することもなく、快楽に身を任せたい。
 雅美の意識は膣からくる電流にだけ向かっていた。

「はぁはぁ、雅美ちゃん、気持ちいい。気持ちいいよ。もう、俺、いく、いきそ、一緒にいこうよ。ね、な? いいだろ? なあってば!」

 頼りなげな言葉とは裏腹に腰の前後運動に迷いはない。

「え? いや、それだけはやめて! 中になんか出されたら私!」

 離れようとする上半身と、ふりおとされまいという下半身。達郎のお尻の辺りで両足が交差しているさまからは、行為の成就を望んでいるようにもみえる。

「おいおい雅美ちゃん、ここでやめたらキャプテンがかわいそうだろ? 最後まで中でいっしょでいろよ」
「いや、だって、私、あっ! ……今日、もしかしたら、危険日かもしれないんだから! あっ、あぁ、ああん!」
「ならさ、口でのんでやりなよ。雅美ちゃん、ザーメン飲むの好きだろ?」
「嫌よ。好きなわけないじゃない!」
「あぁ!? 好きなんだろ! 山形先輩のザーメンうまそうに飲んでたろ! のめよ!」
「ひぃっ……」

 再び髪をつかまれ、よみがえる暴力の恐怖。半ば習性となりつつある脅迫と服従に、雅美はここでも固まってしまう。

「ほら、キャプテン、雅美ちゃんに飲ませてやれよ。ザーメンをさ」

 悟は雅美を抱っこすると、そのまま達郎の前に跪かせ、ぬらぬらと光る肉棒を咥えるように後頭部を押す。

「……は、はい」

 反抗しても助けはない。なら、少々苦い思いをしてでも妊娠の危険性だけは低くしたいと、大きく口を開き……、

「あ、うぅ、はぁぁあ……」

 ひょろりとした体躯がぶるりと震える。そして、男は目の前の女子の頭を押さえつけ、腰をかくかくと前後させる。

「う、うぅ、あぁ、んぅ……」
「んんぅっぷ! んぐんごく……、んぐぐ」

 白いのどがゴクリと音を立てる理由は当然……、

「はは、だっせキャプテン。もう出したんだ」
「どうだ、マネージャー、キャプテンの精子うまいだろ?」
「悟、無理だろ。飲むのに必至でそれどころじゃないし」

 口腔内に広がる青臭さと、べっとりとして飲み込みづらい男の精。スルメのような臭いのする汁に自分の唾液を混ぜてようやく嚥下できるも、喉に絡まり呼吸をするたびに臭いが戻ってくるような気分になる。

「うぅ、けほけほ、んぐ、けほ」

 咳き込む雅美の口から出るのは透明な唾液だけ。男のモノから出たものは全て彼女の食道に絡みながら、おそらく。

「すげーな、やっぱ雅美ちゃんは淫乱なんだわ」
「どうします先輩? やりますか?」

 にやけた表情の悟は下半身の一部を膨らませた先輩に話を振る。雅美はまだ続くかもしれない陵辱の宴に乾いた口の中の粘っこいものをごくりと飲み込む。

「いや、いいや。なんかザーメンくさいし、萎えるわ」
「それもそっすね。んじゃ俺らいきますけど、マネージャーが汚したんだし、ちゃんと掃除しとけよ?」

 二人は雅美の身体を穢さず、代わりに心を抉る言葉を残し、去っていった。

**

 行為の後の生臭い匂いが部室に充満する。
 冷静になり、口腔内の精の匂いが薄れると、今度はそれが気になりだす。

 ――もういいや。

 雅美はすでに汚れているジャージを雑巾がわりに行為の痕跡を薄める。
 達郎は前を隠したあと、その様子をただ眺めていた。

 レイプしたものとされたもの。
 一応は無理やりな行為であったものの、途中からは彼の意思だった。

 ただ、雅美はそれほどの感慨もないらしく、彼のほうをちらりと見たあと、荷物をかばんの中に無理やり押し込み、そのまま部室を後にしようとする。

「マネージャー……」

 背中にキャプテンの声がしたので、すこし立ち止まる。

「部活、まじめにやれよ。みんな困ってるぞ……」

 抑揚の無い声。人のものというよりも、機械的な、音がそう並んだだけという、酷く感情の無い、そんな声だった。

「……はい」

 それは雅美も同じこと。

続く

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