――嫌だ、嫌だよ。もう、やだよ。どうして、私、ばっかり、なんで? 何か悪いことした? ただ、我慢したんだよ? 私、だって、怖いのに、嫌だった、気持ち悪かったのに、泣きたいのはこっちだよ。どうして、あんたたちは気持ちよい思いしたんでしょ? これからも黙ってれば、股ぐらいひらいたよ。なのに、どうして、みんなに教えるの? どうして? 学校行けないよ。恥ずかしくって。卑怯だ。私悪くないもん。なのに、私のほうが、悪者みたいで、みんなから、いじめられてるようなもんじゃない。これじゃあ、さらし者、やりまんとか、いわれて、レイプされたのに、なんで、よ。酷い。酷い、よ。誰か助けて。私、つらい。みんな、同情? 違う。そうじゃない。知らないでいてよ。私の屈辱、私の最悪な初体験、嫌な苦味とか、くさいものとか、全部、どうして、知っちゃうの? 助けてくれなくていいよ。もう、終わったことだしさ。けど、やっぱり、知られたくないよ。隠してたいのに、だから、お願い、隆一君、貴方に、だけは、けど、もう、きっと……
……さよなら。
なのかな?
**
家に帰ると誰も居なかった。今の時間帯ならまだ母も居るはずなのにと思いつつ、このほうが都合もよいと、ひとまず鍵を掛け直し、靴を手に持ち二階の自室に戻る。
ここまでの全力疾走のせいで全身汗びっしょり。
にもかかわらず、そのままベッドにダイブ。
制服が皺になるのもお構いなし。
どうせ二度と行かないと決めたのだし、使うこともない。
――なんか、眠いよ。
空腹感はあるものの、精神的、肉体的疲労がそれを上回り、秋の肌寒さと布団の暖かさに誘われ、雅美は目を瞑った。
続く
……さよなら。
なのかな?
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家に帰ると誰も居なかった。今の時間帯ならまだ母も居るはずなのにと思いつつ、このほうが都合もよいと、ひとまず鍵を掛け直し、靴を手に持ち二階の自室に戻る。
ここまでの全力疾走のせいで全身汗びっしょり。
にもかかわらず、そのままベッドにダイブ。
制服が皺になるのもお構いなし。
どうせ二度と行かないと決めたのだし、使うこともない。
――なんか、眠いよ。
空腹感はあるものの、精神的、肉体的疲労がそれを上回り、秋の肌寒さと布団の暖かさに誘われ、雅美は目を瞑った。
続く