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修学旅行の夜に_6

 二日目は自由行動。
 班決めの際、孝美から「加奈子は健一と一緒でしょ? 私もいい?」と言われたので、三人組みが出来上がる。
 そこへやってきたのはやはり智也。彼は健一がいることをいいことに、「俺たち親友だろ?」と無理やり入ってきた。
 班は五人から六人程度と言われていたので、もう二人程度と探していたところ、恵美と涼が加わったのだ。

 朝食を終えた順に自由行動開始。
 戻ってくるのは夕食前の午後五時十分前。
 ロビーでは朝一のバスに乗り込むグループや、今更になって時刻表とにらめっこをしているグループなどさまざま。

「さ、行こっか、もうみんな出発してるし!」

 ハイテンションな智也はスキップでもしそうなぐらいの勢いでロビーにいた。

「待ってよ智也君。私まだちょっと痛いから……」
「あ、ごめん……」

 元気一杯の智也と頼りなげな微笑を浮かべる孝美。
 対照的な二人だが、智也は彼女をいたわるように荷物を受け取り、「これぐらい平気」「ありがとね」と妙な雰囲気をかもし出している。

「?」

 二人を見つめる恵美と加奈子は互いに首を傾げるが、涼と健一が「おまたせ~」と手を振りながらやってきたのでしばし忘れることにする。

「ね、最初どこだっけ?」
「んと、康安寺だから……向かいのバス停だね。あ、もう来てるし! ほら、走って!」
「うわあ、まって、まだ乗ります、乗りまーす!」

 ロビーの向こうに見える「康安寺前行き」のバスに手を振りながら走る健一。
 加奈子もそれを追うが、結びのゆるかった靴紐が解け、躓いてしまう……。

「うわっと……とと」
「大丈夫? 加奈子ちゃん。ほら、荷物もってあげる……」

 手を貸してくれたのは涼。

「あ、ありがと……」

 差し出された手を握るべきか悩むも、彼は強引に取る。

「ほら、行こうよ……」

 爽やかな笑顔。乾いた大きな手。長い指……。

 加奈子は胸が熱くなる気持ちを否定できなかった……。

続く

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