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おはよう、けどおやすみ_02

「……ぁん……どこさわってるの? コウ君のえっちぃ……」

 含み笑いの甘えた声。少し幼い彼女の責め言葉にわき腹がかゆくなる。

「いや、おれは別に……、つか……おい、おまえだって!」

 そしてとある部分に触れる彼女の一部。

「ええ? 若葉触ってなんか……、ん? このとがってるの何……ってきゃぁ!」

 若葉は膝に当たる妙な感触に違和感を覚えたのち、じたばたと暴れだす。

「ちょ、ま、おま、おい……暴れるな……」
「だってだって、コウ君が若葉にえっちぃことしてくるからぁ~」
「ちが、そうじゃなくて、俺はそうじゃなくて……」
「ちがくないもん、コウ君最初からこうするつもりで若葉のこと呼んだんでしょ!」

 若葉を呼んだのはあくまでも彼の母なのだが、混乱している彼女はかまわず喚き散らす。

「おいおい、頼むから落ち着いてくれ……、じゃないとせっかくの布団の暖かさが逃げる……あ、あぁ、寒い……寒い……」
「もう起きればいいでしょぅ……、えっちぃことしないでさ……、は、は、くしゅん!」

 暴れたせいで布団の中は埃っぽくなり、鼻がむず痒くなる。それは康平も同じで先ほどから何度もくしゃみがでかかる。

「んぅ……鼻水、鼻水……」
「おい、神聖な布団様を汚すなよ! ほら、こっちだこっち!」

 さすがの康平も一大事とあり、枕元のティッシュボックスを目指す。

「ぷはぁ……、は、はなみでゅ……」

 たれかかったそれをティッシュでチーンとすると、鼻が真っ赤になる。

「うぅ、鼻痛い……」

 高校生にもなって鼻をかむのが下手な若葉を見つめる康平は心中複雑で……、

「何? なんか顔についてる?」
「いや……、なんかずっとこうなんだなって思ってさ……」
「そんなことないよ。全然、若葉成長してるもん」
「そうか? だってさっきだって全然小さかったジャン」
「小さいって……やっぱり!」

 申し訳程度の胸元を手で隠す若葉だが、そこはまだAカップですらブラがいらないほどのまな板。

「ごめんごめん……」
「え? あ、うん……」

 普段の教室なら若葉が康平を追い掛け回す。それが日常なのに、今は違う。
 きっと布団から出たくないから。
 そう納得するも、先ほどから瞬きすら惜しんで視線をよこしてくる幼馴染に、怖さと気恥ずかしさ、それと嬉しさを感じてしまう。

「なあ、俺らっていつも一緒だったよな……」
「そうだっけ?」
「そうだよ。だって俺が幼稚園で始めてできた友達って……」
「若葉?」
「うん」
「うふふ、あの頃は若葉達かわいかったね。いっつも砂場ままごと。結婚式ごっこしてみんなから祝福されて……」
「うん」
「ヨウ君にちゅうしろよって言われて……」
「あはは……」
「アレは子供の頃だからノーカウントね? そうでしょ?」
「そうなの? それは……」
「それは?」
「残念……、だって若葉との思い出だし……」
「そう……そっか……、じゃあアレが若葉とコウ君の初チュウだね」
「なんだよそれ……。でもさ、小学校の頃は……」
「んと、あー、思い出したよ。確か三年生の頃、コウ君毎日若葉のスカート捲りにきたでしょ! 月曜はクマさんパンツに火曜はイチゴのパンツって笑ってさ! あったまきちゃうんだよ」
「いや、それは……だって、あの頃はやってたじゃん……」
「はやってたらやるの?」
「ああ……」
「ああって、そういうの盗人猛々しいっていうんじゃない?」
「違うよ」
「違くないもん、コウ君、昔からエッチだ、このエッチオトコ!」
「違うって……、あの頃みんなスカート捲りしてたろ? んでも、本当はルールがあったんだ」
「ルール?」
「ああ、ほら、最初坂部がやりはじめたじゃん。だけど、本当は江口の差し金なのさ」
「え? 意味わかんない」
「やっぱりさ、子供ながらにも好きな子っているじゃん? で、江口は木村のことが好きだったんだ。けど、アイツ性格ひねくれてっから、なかなか友達になれなくて、しょうがないから坂部に「スカート捲る度胸あるか?」とか言ってそそのかしたんだ」
「うんうん、それで?」
「それで、まあ、坂部がまんまとスカート捲りしたあと、江口が「スカート捲れない男は弱虫」とかいいだして、そんで三年三組スカート捲り時代に突入したんだ」
「なんかすごいガキっぽい理由」
「けどさ、必至だったんだ。だって、パンツ報告会なるものがあってさ、「宮本の今日のパンツは~」「飯倉のは~」なんてやってるんだぜ?」
「すっごい馬鹿。それに参加してたコウ君もバカ。絶交もんだよぉ」
「いやいや、聞けよ。ここからが純愛なんだから」
「なにが純愛よ。スカート捲りから始まる恋なんてないんだからね」
「だってさ、みんな好きな子のスカートは他の奴に捲らせなかったんだぜ?」
「ん? えぇ?」
「……俺はさ、江口が木村にばっかりちょっかいだしてたのを知ってたんだ。それでよくよく見たら高木も前田もみんな一人狙い。なんでかって言うと、みんな好きな子だけにしてたんだな」
「んぅ……そうなんだ……ふぅん……けど、やっぱり変だよ……」
「俺だって変だと思うさ。けど、若葉のパンツを他の奴に見られるぐらいならって、涙をのんで捲ったわけさ」
「それならスカートはかないでズボンにしたら? って言えばいいじゃん」
「いや、そしたら他の子のを捲る必要がでてくるだろ? 俺は若葉以外のスカートは捲らん」
「なにその格好のつけかた……、まぁ、でも、他の子を困らせるくらいなら……、しょうがないか……なぁ?」
「そうだよ。若葉と俺が我慢すれば他の子が悲しい思いをしなくてよかったんだ。イイコトだよ」
「イイコトって……なんか騙されてるっぽい?」
「まあまあ……、けどさ、それが原因で若葉、五年の三学期まで口聞いてくれなかったジャン」
「当たり前だよ。そんなことされて……、もう、その話はいいから……、そうだ、中学生の頃はどうだっけ? もっとなにかあったよね?」
「いや、確か何かでかいことがあったんだが……、ほら、仲直りするのに……」

続く

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