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私の咎_01

 平日のスーパーはお昼を過ぎたころから人が少なくなる。
 夕食の買い物にはやや時間があり、日用品を買うのなら特売日を待つのがお財布にやさしい。
 時計は午後二時を指す時刻。
 普段なら客足の少ない間なのだが……、

「ちょっと、このチラシと値段違うじゃない」
「すみません、返金いたします」

「これ、なんかつぶれてるんだけど、入れ方が悪いんじゃない?」
「申し訳ございません。ただいまお取替えいたします」

 レジの一角では客溜まりができており、店員が平謝りを繰り返していた。

 ACマートに勤める早川奈津美は今日で半年を数える。けれど、もともとののんびりした性格が災いしてか、レジカウンター業務を上手くこなすことができなかった。

「早川さん、それじゃ困るよ……」
「すみません、すみません」

 そして店長にも平謝り。
 今年四十を過ぎる店長、岩村義人は「しっかりしてくれよ」と言い残して陳列作業に戻る。
 奈津美は落ち込む暇もなく、次のお客に愛想笑い。今度はたいした間違いもなく、お釣りを返していたが……。

「店長、結構きびしいよね」

 最近入ったばかりの桑原久美子は、同じく棚にお菓子の袋を陳列している一回り年上の三枝頼子に話かける。

「そんなことないよ、私がミスしたときはそんな怖くなかったし」
「そう?」

 ふと考え込む久美子だが、確かに自分もそう怒られた記憶が無い。ただ、別に気になることはあるのだが。

「っていうか、早川さんにだけみたい」

 スーパーの古株にして事情通の頼子は表面上つまらなそうにしながらも、話したがっているのか、ちらちらと視線をよこす。

「なんで?」

 今はそんなに忙しい時間でもなく、彼女の下世話な世間話は久美子の好物のひとつ。
 断るべくもなく、水を向ける。

「だって、彼女……」

続く

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