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小春十三の短篇_3_4

 初めて触れる女の肌、乳房は柔らかく、吸い付くように汗ばみ、そして綺麗だった。
 黄金比といわずとも、ぽよんとした弾力と、触れるとどきどきと鼓動を伝えてくれる乳房は生を感じさせてくれる。そして、だんだん早くなることに性を意識させられる。

 根が真面目な彼は、胸の弾力を楽しみながらも、どこか怯えていた。

 キスをした。

 不意の出来事で口を拭ってしまったが、彼女に対して失礼だと今になって後悔する。そして、このままなし崩し的に行為に及びたい自分は、二重に彼女を侮辱しているように思えた。

「あはぁ、いいよ、寛の手……あったかいし、優しいし、それに、エッチだよ」

 彼女はカーテンと窓に持たれながら呟く。まどかは寛のワイシャツのボタンを引きちぎり、前をはだけさせる。
 シャツをめくると、自慢の鋭い爪でつーとなぞる。
 鋭きうず痒い痛みが起こる。そして、ふつふつ赤い点が出て、血の線を描く。
 赤い線が出来たと同時に彼女の様子がおかしくなる。妙に息が荒くなり、投げ出すようにしていた身体を前のめりにしだし、自らがつけた傷痕を見つめている。

「はぁはぁ……、ゴメンネ、痛かったでしょ? 今消毒したげる」
「え、いいよ、汚いし、悪いって」
「大丈夫……、だって寛の肌……、白くて綺麗だもん……」

 ぎょろりと見開かれた目を向けられると、寛は何も言えなくなる。そして、彼女の赤い舌がちろちろと傷口を舐めると、ぴりりとした痛みの中に甘い官能が訪れる。

「はむ、ちゅ……んふぅあむ……」

 先ほどのキスも情熱的であったが、傷口への愛撫とは比べ物にならない。

「あ、ああ……」

 吸い付き、たまに歯を立て、煽り焦らしてくる彼女の舌に翻弄され、寛は苦い声を上げる。

「はぁはぁ、痛い? 寛のここ、こんなにしちゃって、まどか悪い子だね」

 唇を離して自分を見上げる彼女。興奮のせいか瞳、鼻腔が大きく開いている。潤み、そして吸い込むような瞳に、寛は「やめろ」という言葉をだせずにいた。

 ピンクのルージュが血の赤と混じり、マーブル模様を描く。赤い舌先が唇を拭ったとき、彼の中で理性の糸が切れる。

「美咲さん、俺……」
「まどかって呼んでくれるなら、いいよ」
「まどか!」

 誘っておいて許可を出そうとする身勝手さも、この際忘れる。
 寛は偲ぶ気持ちを封印し、彼女の唇を求めた。

~~

 何故急に彼が求めてきたのかはわからない。それと、例の病気が出たのはまずかった。

 血の赤。
 生命を感じさせる艶のある赤はけして出せない。

 彼女の日焼けを極力避けた白い肌に映えるのは血の赤だけだと、ネイルアートの師匠に言われたことがある。
 最初は迫力出すための嘘だと思っていた彼女だが、爪で誤って皮膚を裂いたとき、それは確信に変わった。
 常連の店の付け爪のデザインの展示会のとき、どうしてもイメージの色が出ないと諦めていた彼女だが、指先からじくりとした痛みと一緒に出てくる赤は、彼女の求めていた色そのものだった。

 窓かはそれをベースにしてアートを作った。太陽と生命を感じさせる、極めて情熱的なデザインだった。

 ただし一日のみの。
 二日目には色が死に、お店の人に頼んで下げてもらった。
 それでも一日目にそれを見た人からは、たまに頼まれたりもする。小金を稼ぐときは自分で文字通り身を刻み、方法を教えてほしいといわれたときは、相手を見て告げた。

 それからだろうか、彼女は血に異常な興奮を覚えた。
 それは特に色のコントラストが映えるときで、スポーツ選手の汗と混じった血は好きにはなれず、彼のように病弱といえるほどの白い肌から滴る赤が好きだった。

 ――もうけた。でも、変な奴。

 まどかは自分を棚に上げてキスに集中した。
 舌先が彼女の口腔内で蠢き、唾液を啜る。唇を執拗になめしごくものだから、お気に入りのルージュも剥げてしまっただろうか?

 男による能動的な熱烈なキス。他の誰かを想っているハズの男を無理矢理振り向かせたことが、さらに女としてのプライドを刺激する。

「ん、はぁ、んちゅ……なに? 急に、したくなったの?」
「ああ、まどかのこと、なんか、わけワカンネーくらいに好きになって……いやか?」
「んーん、いいよ。だって、いい赤だもん、寛の」

 赤に覚えのない彼は困惑するも、彼女は気に留めることなくスカートの中をごそごそとさせる。やがて左足を窓枠に置くと、彼の右手に布、左手にスカートの裾を持たせた。

「わかるでしょ? 女に恥、かかせないでね」

 こんもりとした熱のある布は黄色と黒。寛は右手を見つめ、広げたい衝動に駆られる。しかし、彼は眼前の誘惑に屈せず、もっと素敵な花園を目指し、左手を掲げた。

「あんまり乱暴にしないでよね」
「約束できない」

 寛は屈みこむと、右手の荷物を誰かの机の上に置き去りにする。そして、茂みを掻き分け、赤い秘肉に唇をつけてきた。

「きゃうん!」

 これまで何度か経験してきたハズの刺激にも関わらず、まどかはウブな気娘のように戦慄く。
 寛のクンニは稚拙ながらも熱心で丹念だった。
 大陰唇を親指で開き、小陰唇をちろちろと弄られると、教室であることも忘れて声上げたくなる。まどかはカーテンを噛むことで声を抑えるも、下腹部を突き上げるような刺激は納まることなく、むしろ等差数列の項のように徐々に着実に増していった。

「あ、いっいいよ、上手ぅ……、あんたさ、本当に童貞? 巧すぎる……よ」

 半分お世辞の、ちょっぴり悔しさが含まれた歓喜の声。
 寛はただ黙々と愛撫に没頭する。
 彼の性格なのだろうか、一つのことに集中すると周りが見えなくなるのは。そういえば試験中も最初の三十分は全然彼女の視線を警戒していなかった。むしろ、その時の方が魅力的であったのだが、当の本人はきづいているのだろうか?

「ね、もういいよ、入れたいでしょ? エッチしたいよね。童貞、捨てたいよね」

 スカートの下で自分の恥ずかしい部分を弄る彼に、まどかは優しく声をかける。彼の愛撫に一応の評価をするものの、疼く部分は舌では届かない。

「いいのか?」
「だって、おさまりつかないじゃん。寛もあたしも……」

 ――フェラをしてあげてもいいかな? でも、口に出されるの嫌いだし、いっか。

 彼女は彼の隣に座り込み、ベルトを外し、ズボンとトランクスを下ろす。
 ピョコンと立つオチンチンを見て少し笑いたくなるも、ポケットにいつも忍ばせているコンドームの包みを破り、彼に被せる。
 寛は目をつぶって呻くが、被せた刺激で射精してもらっては困ると、内腿を少し抓る。もし皮膚が破けたらもうけものと思いながら。

「初めてだと、間違って変なトコつついちゃうから、あたしが乗っていい?」
「ああ、お願い」
「んふふ、寛君、いただきます」

続く

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