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小春十三の短篇_4_3

「なかなかいいものをお持ちですね」
「はあ……ん……ふぅ」
 返事をするつもりが、第二間接をピクリと動かされたせいで、喘ぎ声へと変わってしまう。

「変な声を上げて……大丈夫ですか?」
「あ、はい、ゴメンなさい……けど、んぅ、くぅ……や、だめ……」

 コントのような診察劇なら多少は痛がるべきだろうと思う彼女だが、太腿の内側をなぞる手にそれも出来ない。

 ムッチリとした肌は日頃の立ち仕事のおかげで、女子高生にも負けない張りとラインを誇っている。ショートパンツでムチムチ感を表していると、たまの日曜の買い物時、脚だけで男を釣ってしまい、嬉しい困惑に出会うこともあった。

「膣の匂いを見ますね。性病とかあると、二オイでわかりますから……」

 男は真面目な顔つきで眉一つ動かすことなく陰部に近づけ、鼻の穴をヒクヒクと動かす。
 呼吸の音、自らの恥ずかしい秘裂を嗅ぐ音を聞くと、羞恥心を煽られる。既に一糸纏わぬ姿というのに、女の身体というものはかくも恥を感じることが出来るものと、一人納得する自分がいる。

「いい匂いですが、少し……」
「少し、なんですか?」
「最近セックスをしたのはいつですか?」
「えと、一ヶ月、いえ、三週間前です」

 本当は三ヶ月前。見栄を張ってさば読むも、男はふふんと鼻で笑うだけ。

「正直に教えてください? 本当はいつですか?」
「えと、三ヶ月です」
「何故嘘をついたんです? 私が信用できませんか?」

 信用なら何一つ無い。しかし、男のねちっこく、重箱の隅を突いてくるやりかたに、多少なり楽しめてもいる。

「あの、恥ずかしいから……、だって、男をほしがっているみたいじゃないですか?」
「奥さん、それは普通ですよ。人間だれしも性欲があり、それが満たされなければ不満をもち、不安になる。特にだんなさんがいてレスだと、焦りませんか? 自分には魅力がないのかって」
「ええ……」

 まったくもってその通り。しかし、それを肯定してよいものだろうか。
 脳裏に浮かぶのは、帰ってきてもすぐに風呂へと向かい、女の気配を洗おうとする夫。ごはんは毎日近くのファーストフード店で済ませたといい、二人の時間を持とうとしない。

 背後にいる存在を知られているとも知らないでのん気な男だと、内心呆れているも、それ以上にないがしろにされる憤り、不満、そして二つの寂しさがあった。
 一つは家庭という居場所で抱える不安による寂しさ。もう一つは、今男に指摘されている不満そのものだ。

 ――この男は医者でこれは治療だもの、しょうがないわ。

 中指が奥を目指すも、子宮には遠く届かないもどかしさを知ると、その寂しさに近い情欲が自分を誤魔化すことに拍車をかける。

「どうすればよいでしょうか?」
「そうですね。あまり長いと、いざという時に濡れにくくなりますし」
「それは困ります。まだ子供もいないのに」
「お子さん、ほしいですよね」
「ええ、夫婦ですもの」

 田舎の両親にせっつかれるのもプレッシャーであり、彼女は自身の疼き以外の理由でも彼を求めていた。もしかしたら、彼も彼の両親からのせっつきに怯えていたのかもしれない。彼は弱い男だから、それで愛人に逃げたのかもしれない。

「ふーむ、難しいですね。荒療治がありますが、いかがいたします?」
「それはどのような?」
「簡単です。私が直接子宮を刺激します」
「それはどうやってです?」
「当然、これで……」

 男はかちゃかちゃと音を立ててベルトを外すと、ズボンを脱ぎ、縦縞の青いトランクスを見せる。その中央よりやや左側では、丸く濃いシミが出来ていたが、おそらく彼の不満、あるいは不安のそれなのだろう。

「はい、わかりました」

 セックスがやりにくくなるのを防ぐためにセックスをする。順序としてはやや理屈がおかしいものの、既に治療など、行為を誤魔化すものでしかないと、彼女は考えるのをやめる。

「それでは準備しますので、そうですね、舐めていただけますか?」

 男のものを眼前に寄せられると、ツンと鼻をつくアンモニア臭がした。
 久しぶりに見る、それも夫、父以外のモノ。生涯三人目となるそれに、沸き踊る気持ちを抑え、荒くなる息を誤魔化そうと口で息をする。

 ボタンを外し、鎌首を引きずり出す。鈴口から溢れた淫液が亀頭を汚し、ぬらぬらと黒光りさせる。

「さあ、どうぞ」

 夫との行為は乳をもませ、クンニをさせ、仰向けのままもたらされるのを待つばかりの受動的なセックスだった。彼女にフェラという概念はなく、突き出された陰茎をどう処理してよいものかと、困惑する。

「舐めてください」

 二度いわれてようやく理解した彼女は、口を開き、乾いた舌先でちろりと舐める。

「うう!」

 男は苦悶の表情を上げ、腰を退く。清美は何か失敗したのかと彼にすがるような視線を送る。

「奥さん、フェラしたことないの?」
「すみません、ワカラナイの」
「そうですか、まず唾液をよく舌に馴染ませて」
「はい……んぅ、んー、こうでふか?」

 清美は言われたように口腔内の唾液を舌先に集め、ぬらぬらと光らせる。男はそれを見て鷹揚に頷くと、再び腰を前につきだし、行為の続きを要求する。

続く

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