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僕らの関係 イタダキマス。

イタダキマス。

 話を聞くところによると、恵が自分の家の鍵をなくしたらしい。おそらく着替えの最中に紛失したとのことだが、どうも彼女の両親は今日は泊まりの仕事らしく、家に入れないらしい。
 由香に連絡したところ、彼女は母親と一緒に祖母の家に行っていたらしく、里奈も都合の悪いことに親戚が泊まりに来ており、部屋がないとのこと。
 途方にくれた恵に美雪が「家に泊めてあげる」と申し出ると、持つべきものは頼りになる先輩とばかりに揉み手をしつつ美雪にへつらった。
 しかし、彼女はある条件を出した。
 それは幸太の家に行くことだった。
「僕の家に泊まればいいじゃない?」
「やーん、幸太君のエッチィ! 年頃の男女が同じ屋根の下にいたらマチガイがおこっちゃうわー」
 嬉しそうに呟く美雪は正直ウザイ。可愛らしい顔立ちがその傍若無人な振る舞いに拍車をかけているのだろうか、そこら辺も里奈に通ずるところがあり、自分はやはり控えめに自分を支えてくれそうな由香がすきなのだと思い直す。
「でも、丁度よいね。僕、今から塩ブタに挑戦するんだけど、二人も食べていってよ」
 幸太は買い物袋からブタ肉の塊と料理酒を出す。
「ん? あれ、幸太酒飲むの?」
「え、違うよ。料理酒……あれ? 僕、こんなの買った覚えないんだけどな」
 カゴにはしっかり料理酒を淹れたつもりが、何故か「濁り酒・日和見」とラベルのされたビンがある。
「まあ、私達を酔わせてどうするつもり?」
「違いますよ。僕は別に……」
「あたしは別に平気なんだけどな」
「ちょっとケイ、お酒は二十歳を過ぎてからだよ?」
「堅いこと言うなよ。っていうか、堅いのはアソコだけにしとけよ?」
「幸太君の、堅いの? そうなの?」
「しかもこいつ、包茎なんですよ」
「うっそー、可愛い!」
「ケイ! あんまり変なこといわないでよ。それに僕、包茎じゃないよ」
 最近はしっかり剥いている。たまに気を抜くと、また包皮を被ってしまうが、由香とのいけない放課後の為にも、清潔を保つように心がけている。
「そうなの? なら見せてくれよ?」
「なんだよケイったら……。僕だって怒るよ!」
「はいはい、また泣かれても困るし、この辺にしとくよ」
「え? 幸太君が泣いちゃったの? どうして? どんな風に?」
「それはですね……ごにょごにょ……」
「ああーん、もう、私も見たかったー!」
「え、そうですか?」
 さすがの恵も美雪の反応には次第に引き始めている。彼女は幸太の背後に歩み寄ると、ぼそりと呟く。
「幸太、変なのに見初められたな」
「もう……ケイの所為じゃないか……」
 無責任に笑う恵に幸太は眉を顰める。
 どんな恥ずかしいことでも「可愛い」という美雪は、明らかに異質な趣味の持ち主であり、そんな彼女に家を知られた幸太は、かなり憂鬱な面持ちで牛肉の表面を焦がしていた。


 換気扇の調子が悪いのか、台所にはワインの芳醇な香りが漂い始める。
 幸太は目眩を覚えつつも、にんじんの皮を剥き、セロリと炒めた肉を放り混み、ローリエ、バジルなど、今日の残りの香味を入れて大量の塩と一緒に煮込む。
 途中恵の提案で肉を柔らかくするためにと、日和見を少々入れることとなったが、謎のアイデア料理は果たして吉とでるのか? 結果はあと二時間もすれば出るわけだが……。
「コウ、腹減ったよー、何か作ってよー」
 遅くまで練習をしていた恵は恥らうこともなく、お腹の不満を口にする。
「そうだね、それじゃあ今日の残りで五目チャーハンでも作る?」
「おう、それでいいぞ」
 両親に残しておいたはずのご飯が残っていたので、幸太は解き卵に絡めてフライパンを暖める。
 油の敷かれたフライパンに刻みネギを放ち、さっと香りをつける。充分に熱がこもったらごはんを落とし、手際よく混ぜる。このとき重要なのは火を弱めないこと。
 米粒一つ一つがパラパラ煮なるまで炒めたら胡椒とオイスターソースで味に深みをつけて出来上がり。
 お箸を両手にお皿を叩く行儀の悪い恵に苦笑いをしながら、三人分をよそる。
「わー、すごい幸太君」
「コウは嫁さん要らずだからな」
「僕だって……」
 ――好きな人くらいいる。
 もっとも飢えた二人には彼の飲み込んだ言葉よりも、目の前の餌のほうに興味津々であったわけで……。


「ご馳走様!」
 綺麗に平らげられると悪い気がしない。体育会系には汗臭い、乱暴というイメージを持つ幸太だったが、料理をしっかり食べてくれるのは好印象をもてた。
「待ってて、もうブタもゆだったから……」
「おー楽しみだー」
 恵はお皿を流しに運ぶと、洗い物だけは手伝ってくれる。
 油と灰汁の浮かぶ寸胴から肉を取り出し、たまにみみたぶを摘みながらまな板に乗せる。
 湯気の立ち上るブタ肉の塊は全体的に白っぽく、パッと見あまり美味しそうではない。
 しかし、包丁を立てると、中身は綺麗なサーモンピンクをしており、試しに欠片を摘むと、程よい塩気とすがすがしい香り、油の落ちたさっぱりとした味わいがする。
「どう?」
 恵も一切れ摘むと、「へー」と感嘆のため息を漏らし、上機嫌の様子。美雪にも一枚渡すと彼女は「まろやか~」とうっとりする。
「幸太君、料理上手だね」
 心から感心している美雪は素直に彼を見直したらしく、可愛いなどと安易な言葉を口にしない。
「えへへ、この本の通りにしただけですよ」
 鼻の頭を掻きながら、幸太はレシピを見せる。
「でも、私は無理かもなあ……」
「そんなことないですよ」
「じゃあ、私にも教えてくれる?」
「ええ、いいで……その手には乗りませんよ。阿川先輩?」
「ちぇ、ガード堅いのー」
「ほらほら、いちゃついてないの。コウ、きゅうりスライスしたけど、他に付け合せ必要?」
 恵はスライサーで卸されたきゅうりを塩で揉み、アクを抜く。
「んー、いんじゃない?」
 幸太は塩ブタを数枚スライスしたあと、お皿に盛り付け、きゅうりを飾る。それをゲストの待つ居間に運びこむ。
「お待たせしました」
「くるしゅうない。ちこうよれ」
 美雪はきゅうりとスライスされた肉をフォークで摘むと美味しそうに頬張る。
 このときの彼女の表情は、自分を可愛いと連呼するときよりずっと魅力的に思える。
「どしたの? コウ」
「ん、なんでも無い。それより何か飲み物ないとね。ショッパイし、のど渇いちゃうよ」
 すると、立ち上がろうとする幸太の前に湯飲みが置かれる。
「まあまあ、お若いの、これでもどうぞ」
 恵が手にするのは日和見のビン。どろどろと濁ったものが注がれると、甘ったるいニオイが鼻につく。
「ちょっとケイ、それってお酒じゃ……」
「堅いこと言わないの。それとも幸太君、お酒ダメなの?」
「ダメって訳じゃないけど、でも、まずいでしょ」
 幸太もお酒を飲むことがある。ただしそれは料理に使う際にすぎず、お酒を飲むことを目的にしてではなく、あくまでも料理の工程の一つとして。すでに調理は終わっているのにも関わらず飲むのは、あまり好ましいことでもない。
「お子様ね。幸太ちゃん」
「僕は子供じゃないよ」
「そうなの? お酒も知らないで?」
「お酒くらい飲めますよ!」
 目の前に添えられた湯飲みを掴むと、幸太は呷るように飲み始める。
 苦味の中にフルーツのような香りが漂い、舌の奥のほうで甘みを感じる。
 どろりとした味わいは不快な喉越しだが、わりと嫌いじゃない。
「おー、良い飲みっぷりですな。ささ、もう一杯どぞー」
 恵はおどけた様子で二杯目を注ぐ。
「ケイ、ダメだよもう」
「あら、一杯でダウン? やっぱり……」
 挑発に乗るのは格好悪いと思いつつ、むしろそれをいいわけにして不法行為を続ける幸太。苦味と甘みの絡み合う芳醇な濁り水を、幸太は純粋に欲していた。
 二杯目を一気に飲むと、酔いが回ってきたのか、体が熱くなり、頭がふらふらする。
「ささ、もう一杯」
「ダメだよ、僕、もう……」
「いやいやいや、かけつけ三杯、これ日本の常識ね」
「そう? じゃあもう一杯だけ……」
「幸太君、お酒はゆっくり呑むのよ? あんまり早いと嫌われちゃうよ?」
「はーい」
 いつの間にか隣に座っていた美雪は優しそうな視線をむけるので、つい由香に甘える感覚で返事をしてしまい、そのまま彼女に倒れこんでしまう。
「おいおい、コウ、そんなになっちゃ……」
 幼馴染の酩酊振りに慌てたのか、恵は幸太を抱き起こそうとする。
「まあまあ、私は平気だし……」
 美雪は膝に突っ伏す幸太の額に軽く触れる。
 ――ひんやりして気持ちいいなあ、美雪さんの手。僕、誤解してたけど、結構いい人じゃないのかな?
「幸太君、デザート食べたいな」
 冷蔵庫にはアイスがあったはず。今の火照った身体には丁度よいかもしれない。しかし、下半身にも酔いが回ったのか、いう事をきいてくれそうに無い。
「アイスでいいですか? 恵、わるいけど、冷蔵庫に……、恵?」
 いつの間にか恵の姿が無い。美雪は幸太をソファに寝かせると、立ち上がり、幸太の下半身に顔を近づける。
「阿川先輩?」
「ユッキーって呼んでよ」
「ユッキー?」
「なあに、幸太君」
「何する気?」
「んとね、デザート食べるの」
「だって、デザートは冷凍庫に……」
「違うの。私の食べたいデザートは幸太君の包茎チ○ポなの……」
 ――やっぱり悪い人だ!
 その下から現れた淫靡な細目が、幸太を射抜いていた。


 美雪に好きなようにさせていたのは、なにも酔いが回ったからじゃない。
 休みの日は由香に会えず、性欲を持て余し、一人寂しく処理をする。たまに携帯で彼女の声を聞きながらしてみたりするが、無料通話分と相談する必要がある。
「ん、はぁ……、幸太君の、剥けてて可愛くないな」
 ブリーフから零れる陰茎はしっかりと包皮が剥けている。ミミズの頭のような亀頭を見た彼女はがっかりとした様子でそれを握る。
「んでも、臭くないでしょ?」
「んー、ちょっと物足りないの」
「だって、汚いのやじゃない?」
「私、ビョーキだから」
「病気?」
「んーん、ビョーキ。あ、でも性病とかじゃないよ。心のビョーキなだけだから」
 心の病気というと鬱病だろうか? 普段の美雪を知っているわけでもないが、彼女の雰囲気、仕草からは感じられない。
「ユッキー、どういう事?」
「んとね、私、幸太君みたいな子が好きなの」
「僕を好きなのは嬉しい……けど、でも、あ……、それは病気じゃ……」
 雁首を丁寧になぞる美雪の舌に、幸太は上擦った声を漏らす。
「だよね。誰を好きになってもいいよね。でも……やっぱり変なんだ、私」
 自分を好きな人が病気となると、由香や里奈もそうなのだろうか。それは失礼な話ではないだろうか? 彼女や自分にとっても。
「そんなことないよ。ユッキーは変じゃない! やぁ……」
 力んだことで亀頭が膨らみ、ザラリとした舌先の刺激をつぶさに感じてしまう。その間も右手がすばやく陰茎を扱き、淫水を絞り出す。
 美雪は唾液を垂らし、さらに滑らかにすると、頬を朱に染めて幸太を見る。
「嬉しいな。私さ、いっつも男の趣味とか笑われちゃうんだよね。恵くらいかな、哂わなかったの」
 ――そういえば恵は何処に行ったんだろう。
「恵ってさ、うふふ。本当はねえ……」
「先輩、怒りますよ」
 ハスキーボイスが居間に飛び込む。視線を向けると、恵が豚肉の切れ端を食べながら、こっちを見ていた。
「恵……、何処行ってたの?」
「ちょっとおつまみもらいに。それより先輩、勝手に人のこと喋っちゃ困ります。幸太も取り上げますよ」
 ぷりぷり怒りながら恵はソファに座り、幸太の身体を奪うように抱き寄せる。
「ああん、恵のイジワル。喋らないから幸太君を返して……」
「ゴメンな、コウ。だしに使うようなことして。でも、先輩もちょっとだけ気の毒なところあるんだ。だからさ……我慢してくれ」
 恵は幸太の頭を膝に乗せると、お酒で火照った頬を手で冷やしてくれる。
「恵?」
 朱に染まる頬の恵を見るのはこれが初めてだ。恥らう彼女の表情も、自分の知らない誰かに向けられるのだろうと思うと、幸太も軽い嫉妬を覚えてしまう。
 ――恵の好きな人ってどんな人だろう。
「恵って誰か好きな人いるの?」
「うん、いるよ。でも、言えないんだ。その人のこと、傷つけちゃうかもしれないから」
「誰かに好きって言われたら、きっと嬉しいと思うよ。特に恵みたいにスタイルイイコはさ」
「こいつ、人の気にしてることを……、でもさ、そういうの、ダメなことってあるんだ。幸太にはわからないだろうけどな」
「あらいいじゃない? 幸太君は優しいから、恵のことだってきっと理解してくれるわよ」
「あー、そこが問題じゃなくって……、とにかく、幸太には自分で言いますよ」
 恵が何に戸惑っているのかは美雪にもわからないらしく、サオの曲がり具合に沿って首を傾げる。
「ああん……ユッキー、すごいよ、僕、もういきそ……」
 快感に身を丸める幸太は恵の豊満な胸元に顔を埋め、その柔らかさを堪能する。
「まあ、幸太君ったらやっぱりエッチな子、そんなに恵のオッパイ好きなの?」
「だって、ユッキーが僕のこと苛めるんだもん。ねえ、恵、いいでしょ? ダメ?」
 谷間から顔を出し、上目遣いに彼女を見つめると、恵はいつもの厳しい目付きを柔らかく垂らし、「特別だぞ」と頭を撫でる。
「幸太が女の子なら良かったのに……」
「そうかなあ、幸太君が男のこの方が、恵にも都合良くない?」
「んー、どっちかって言うと、あっちが立つとこっちが立たないっていうか、一長一短なんですよ」
「複雑ね、恵も……」
 美雪は何かを理解したのかフンフンと頷くと、幸太の陰茎を弄ること作業に戻る。
 彼女が制服のスカートを捲ると、エメラルドグリーンに輝くレースのショーツが顔を出す。地味なデザインだが、肌ざわりが良さそうなそれに、幸太は思わず手を伸ばす。
「やん、幸太君ったら、おさわり禁止」
「だって、ユッキーするんでしょ? 僕と、エッチ……」
「うん。だって、御口だけじゃ満足できないもん」
「じゃあ、いいじゃん」
「やー、恥ずかしいもん」
「今更?」
「それに、恵がね……」
「先輩はそういう風に見てませんから、安心してください」
「あらら、残念。寂しいわ」
 頭上を飛び交う会話はまたも理解不能。だが、幸太はこれから始まるであろう、出来事に胸を高鳴らせてしまう。
 しかし、鞄を手繰り寄せる美雪は焦ったようにそれをひっくり返す。
「あれ……、ゴメン幸太君。私、ゴム無いや」
 頭を掻きながらエヘヘと笑う美雪は舌を噛む。
「しないでする? でも、美雪、危ない日だし……恵は持ってないの」
「すみません。部室です」
 恵も準備しているのだと知ると、幸太は少し複雑な気持ちになる。里奈や由香もそうだったが、女子は男子に比べ、大人になるのが早いのだろうか? それとも、自分が遅いのだろうかと。
「そっか、じゃあ買いに行こっか?」
「今からですか? でも、父さんたち帰って来るかも……」
 時計は既に九時を回っている。今日は休みのはずなのに、一体何処へ行ったのだろう。せめて書置きくらいあってもいいはずだが……。
「そうだ、コウの携帯鳴ってたよ。代わりに出たけど、コウのパパとママ、今日は仕事先に泊まるってさ。追い込みの仕事だって」
「追い込みかあ、それじゃあしょうがない……って、恵、勝手に出ないでよ」
「だってコウのパパさんじゃん、邪魔しちゃ悪いかなって思ってさ」
「あら、私は平気だったわよ。電話しながらフェラチオされる幸太君、見たかったな」
 美雪ならやりかねない。そう思うと恵の機転はむしろありがたいこと。
「恵、ありがとう」
「どういたしまして」
「それじゃあ、今日はもう少し遊んでも大丈夫だよね? んーん、明日まで、平気でしょ?」
 美雪はいやらしい笑いを浮かべると、ショーツを履きなおした。

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