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05_前編

 少し前までは頻繁に……というほどじゃないんだけど見たんだ。
 自分が先生に怒られているところ、
 母にお使いを頼まれたこと、
 期末試験の答案、
 その日の夕飯……。

 あげだしたらキリがない。
 とにかく、俺には見えるんだ。

 未来ってヤツがさ。

 信じてないみたいだから、俺が見た未来の一例ってのを教えてやる。
 アレは小学生の頃のこと……。

――

「ねえ、なんで傘なんてもってんの? 今日雨降るっけ?」
「わかんない。けど、なんか落ち着かなくて……」

 その日の天気予報は晴れのち曇り。
 西の空にはいくつか雲が見えるも、下校時間まではもつだろう。そんなあやふやな天気。
 もちろん、俺以外にも傘を持っていたやつはいたと思う。帰りに何人かは傘をさしていたし。
 でも、そういうやつらは皆、折りたたみ傘や、置き傘。俺のような傘を持っていたのは多分いなかったんじゃないかな。

 給食を終えた頃から天気がガラッと変わったんだ。
 そうだな、まあ、最初はぽつぽつだったんじゃねーの? それが五時間目が終わるころにはザーザーに変わったんだ。
 皆大慌て……て程じゃない。まあ、置き傘や折りたたみ傘を用意してんだろうな。


 んでも、今朝の子だけは言ってくれたぜ?

『すごい、よくわかったね』

 ってさ……。

――

 ……まあ、なんだ。
 聞きたいコト、あるよな?
 あるだろ?
 なあ、おい!

 普通さ、聞かねーか?
 なんで分かったんですかってさ。

 あーあ、やめやめ、答える気なくしたわ。
 お前、もう帰れよ。
 飽きたわ……。

 ……やっぱり聞きたい?
 そうだろ、そうだろ。最初から素直にそう言えばいんだよ。

 ふふん、じゃあ教えてやろう。
 俺がどうして雨が降ると分かったか。
 ソレはだな。
 予知能力があるからだ。

 ……おい、なんだよ、そのつれない態度。
 もっとこう、ほら、お前、あるだろ?
 わーすごいですね。とか、明日の株価は? 日本経済の行く末は? なんて感じでさ。

 ……まあいいや。
 俺がさ、まあ、予知能力っていうの?
 未来の出来事を知るのってさ、夢でなんだよ、夢。

 夜寝るだろ? そうしてすーっとしてるとさ、なんか薄ぼんやりとした、現実にしちゃつくりがちゃちいのに、そこにいる俺は現実だ! って思い込んでる世界に迷い込むわけさ。

 んで、そこで見ちゃうんだよ。
 俺がさ『あるとき』にどうなるか? を。

 『あるとき』ってなんだって?

 まあ、予知夢つっても万能じゃない。
 俺が見たい時を見れるわけじゃねーし、何時なのかも分からない。
 たまにごく最近ってのも見れるんだけど、その稀な例ってのがさっきのさ。

 便利かどうかって?
 まあ、半々だな。

 例えばテストの答案を見たとするわけだ。
 んでも、問題用紙を見れないんなら、意味がねー。
 答えから推測するにも×がついてりゃ暗記する必要がない。
 そもそも数学じゃお手上げだろ?

 かといって傘の兼が役に立つかといえば、これまた意味がない。
 大半は、その日が前に見た夢の内容なのか、判別がつかねーからさ。

 ……。

 でもさ、じつはな。
 やっぱり役に立つこともあるんだよ。

 例えばだぞ?
 最近物騒になったと思わないか?

 通り魔……。

 困ったね。
 昼だろうが夜だろうが、老若男女問わずだもん。
 俺もいつ刺されっかわかんねーし、外もおちおち出歩けない。
 まあ、あんたみたいにがっしりしてるヤツは平気だろうけどさ。

 それでさ、俺見たんだよ。
 そいつのこと……。

続く

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