東京に帰りたい……、みんな泣きながらそういってたよ。
夏の暑い日のことだった。
日中の仕事を終えて宿舎に戻ったら、先生が騒いでるんだ。
「盗人め! お前だろ! 財布を盗んだのは!」
寝床に置いていたはずの財布が無くなった。
残っていた奴らは皆知らないというけど、俺だって知らない。
はっきりいって濡れ衣だけど、先生は俺らのことを疑っていたんだ。
被害にあった奴は村の子で、俺らは都会の子。
普通の感覚は通用しないんだよ、戦争中はさ。
偏見というか、ひいきというか、最初から俺らが犯人って前提だったしな。
「本当のことを言え。お前が盗ったんだろ?」
毎日それの繰り返しで、正直、嘘でも自分がやりましたと自白しそうになった。
三日ほどして、財布が見つかったんだ。
無人のはずの地下の物置で痩せこけた少年の死体と一緒に……。
飯時に妙な臭いがしたらしく、気になった先生が探したそうだ。
物置にあった死体は地元の子だった。
「やっぱり……あれって殺されたのかな?」
「ゆったとおりだ……、の……」
「よせよ、こんなときに……」
拉致されて殺害されたんじゃないか? そんな噂が流れた。
理由は、そいつは地元の県会議員の息子で皆から恨まれていたから。
類は友を呼ぶというか、そいつは他の腕白を使って俺らを攻撃していたんだ。
例の財布も多分俺らをいびるためにしくんでいたのだろう。
ろくでもない奴らだったし、俺は気にしなかった。
私の話はこれで終わりだ。
をで始めることはできないからな。
ん? そういう話なんだよ、これは……。 完
夏の暑い日のことだった。
日中の仕事を終えて宿舎に戻ったら、先生が騒いでるんだ。
「盗人め! お前だろ! 財布を盗んだのは!」
寝床に置いていたはずの財布が無くなった。
残っていた奴らは皆知らないというけど、俺だって知らない。
はっきりいって濡れ衣だけど、先生は俺らのことを疑っていたんだ。
被害にあった奴は村の子で、俺らは都会の子。
普通の感覚は通用しないんだよ、戦争中はさ。
偏見というか、ひいきというか、最初から俺らが犯人って前提だったしな。
「本当のことを言え。お前が盗ったんだろ?」
毎日それの繰り返しで、正直、嘘でも自分がやりましたと自白しそうになった。
三日ほどして、財布が見つかったんだ。
無人のはずの地下の物置で痩せこけた少年の死体と一緒に……。
飯時に妙な臭いがしたらしく、気になった先生が探したそうだ。
物置にあった死体は地元の子だった。
「やっぱり……あれって殺されたのかな?」
「ゆったとおりだ……、の……」
「よせよ、こんなときに……」
拉致されて殺害されたんじゃないか? そんな噂が流れた。
理由は、そいつは地元の県会議員の息子で皆から恨まれていたから。
類は友を呼ぶというか、そいつは他の腕白を使って俺らを攻撃していたんだ。
例の財布も多分俺らをいびるためにしくんでいたのだろう。
ろくでもない奴らだったし、俺は気にしなかった。
私の話はこれで終わりだ。
をで始めることはできないからな。
ん? そういう話なんだよ、これは……。 完