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20_the latter part

 敵だらけなのさ、どこにいても。
 東京に帰りたい……、みんな泣きながらそういってたよ。

 夏の暑い日のことだった。
 日中の仕事を終えて宿舎に戻ったら、先生が騒いでるんだ。

「盗人め! お前だろ! 財布を盗んだのは!」

 寝床に置いていたはずの財布が無くなった。
 残っていた奴らは皆知らないというけど、俺だって知らない。
 はっきりいって濡れ衣だけど、先生は俺らのことを疑っていたんだ。
 被害にあった奴は村の子で、俺らは都会の子。
 普通の感覚は通用しないんだよ、戦争中はさ。
 偏見というか、ひいきというか、最初から俺らが犯人って前提だったしな。

「本当のことを言え。お前が盗ったんだろ?」

 毎日それの繰り返しで、正直、嘘でも自分がやりましたと自白しそうになった。

 三日ほどして、財布が見つかったんだ。
 無人のはずの地下の物置で痩せこけた少年の死体と一緒に……。
 飯時に妙な臭いがしたらしく、気になった先生が探したそうだ。
 物置にあった死体は地元の子だった。

「やっぱり……あれって殺されたのかな?」
「ゆったとおりだ……、の……」
「よせよ、こんなときに……」

 拉致されて殺害されたんじゃないか? そんな噂が流れた。
 理由は、そいつは地元の県会議員の息子で皆から恨まれていたから。
 類は友を呼ぶというか、そいつは他の腕白を使って俺らを攻撃していたんだ。
 例の財布も多分俺らをいびるためにしくんでいたのだろう。
 ろくでもない奴らだったし、俺は気にしなかった。

 私の話はこれで終わりだ。

 をで始めることはできないからな。

 ん? そういう話なんだよ、これは……。 完

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