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22_前編

「わぁ……!?」
 目が覚めた。
 俺は公園で倒れてた。
 東の空が青くなっている。
 鳥のさえずりが聞こえるからもうすぐ朝。

 周囲を見ると明と聡が倒れてた。

 いったいなんだったんだ?
 あれは夢なのか?
 いや、夢だろ。
 じゃなかったら俺はもう……。

 背筋が寒くなる。
 首筋にはねばっこい汗が残り、すげー不快。
 最後、アイツは笑っていやがった。
 悪魔。
 たしかにそうだ。あれは悪魔……。

 そうだ、雄介の奴だ。
 あの野郎が俺らをはめやがったんだ。

「んぅ……あぁ……、あれ? ここは……あ、ノリさん」

 明が目を覚ましたら、聡ものそのそと起き上がる。

「おいお前ら、雄介のやろうをシメに行こうぜ」

 正直怒りに燃えていた。
 あいつに自分の立場ってのを教えてやる必要がある。
 つか、ノンストップで自殺させてやる。
 もう手加減なんかしねえ。

 俺は手近にあった鞄を拾い、立ち上がる。

「……? おい、どうしたんだよ。早く立てよ」

 なのに二人は立ち上がらない。
 お互い顔を見合わせたあと、指や胸元、足、爪を確認して安堵のため息をついてやがる。

 ……まさかな。

「ほら、行くぞ」
「俺いい」
「ああん!? なに言ってんだ。早くしろ」

 明の野郎が弱音を吐くんで、俺は肩を掴んで無理やり立たせる。
 けど、明は俺のこと睨み返して腕を振り払う。

「ノリさん一人で行けよ。俺はもう雄介と関わるの嫌だ」
「何でだよ」
「だって……」
「何びびってんの? お前馬鹿じゃね?」

 ……腰抜け。
 俺は明を突き飛ばすと、聡のほうを見る。

「俺もいかね」

 しかし、聡まで明に同調する。というか、こいつまで俺のこと睨みやがる。
 いったいなんだってんだ!

「お前らなあ、もしかしてびびってんの? だっせ」

「自分だって……」

「ああん!?」

 カチンときた俺は明の胸倉を掴んでやった。
 けれど、内心、俺はびびってた。
 多分……。

「お前、俺のこと身代わりにしようとしたじゃねえか……」

 やっぱり。

「何言ってんだ? 夢でもみたんだろ。それとも呑みすぎて幻覚でも見たんだろ?」

 こいつらも俺と同じ夢を見たんだ。
 どういうことなんだ? あれは夢だろ? 違うのか?
 だって、夢じゃなかったら、俺はもう……死んでるはずだ。

「とにかく俺らはいかね。どうしても行きたいなら、徳夫一人で行けよ」

 この野郎、俺のこと呼び捨てにしやがった……。

「はんっ、勝手にしろよ」

 もういい、こんな腰抜けなんざ、こっちから願い下げだ……。

~~

 昼頃、俺は学校に行った。
 あのままふけても良かったんだが、ちょっと気になることがあった。

 雄介のやろうはどうなったんだ?

 もし悪魔のいうことが本当なら、もうアイツは死んでいるはずだろ?
 つか、それと引き換えに俺らは拷問にかけられたんだ。

 教室のドアを開けると、クラスの野郎が一斉に俺を見る。
 でも、すぐに視線をそらしておしゃべりをしだす。
 くそ、胸糞悪い。

 いや、それよりも……。

 教室の後ろのほうを見る。
 雄介は俺らに目をつけられていたせいでクラスからもはぶられていたから……、よしよし今日も一人だ。

続く

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