一瞬にやりとわらった雄二は、行き先の定まらないやるせなさを勃起させたままの勝則に振り返り、指を抜く。
「ん? ああ、いいのか?」
「ああ、だって柚子ちゃんとしたいんだろ? 結構濡れやすい子だし、軽くイッたあとだからすぐ感じるぞ」
ぽんと肩を叩くそれは明らかに見下しているように見えるが、興奮気味の勝則はそれに拘らず、彼女へとがぶりよる。
「えっと、ここだろ?」
手探りで秘裂に触れる勝則。無骨で乱暴でいたわりの無いそれなのに、雄二の愛撫で感じやすくなっていた蜜壷は痛みを快楽と勘違いし始める。
「ん、んぅ……あぅん!」
「おっ、柚子ちゃん、感じてるの?」
「ちがいまふぅ、これはぁ……、いらいからぁ……」
頬を朱に染めて眉を顰める柚子は、確かに感じている。それに気をよくした勝則は、遠慮なく彼女のお尻を掴むと、そのまま自身を突き立てる。
「あくぅん~!」
「うわぁ!」
がたんとテーブルが音を立てる。背筋をそらせて立ち上がろうとする柚子と、無理やりな姿勢でのけぞる輝彦。組み体操のような格好の二人ははたからみて滑稽だが、当人達は周りのことなど見えていない様子。
「ふわわぁ……」
気の抜けるような声をだす柚子は手をわきわきさせ、たまにジャージを掴んだりと忙しい。それが勝則の手にふれると、ぎゅっとつかまれ、そして指が絡みだす。
不法侵入される不安、そして性欲の期待。ずむずむとやってくる自分じゃない何か。敏感な部分が刺激され、どういうふうに力を込めているのか、アソコが締まってしまう。それは結果的に侵入者を気持ちよくさせることに繋がるが、正直、もうどうでもよい。
「アン!」
少し動いた。それだけで、さきほど暴かれた気持ちが反芻される。
自分はけして淫乱の類ではないけれど、雄二の触診と頂の低い絶頂が、さらに高みを求めて貪欲になる。
昨日のことを思い出す。身体中に浴びた精液はむせ返るほどの青臭さは化粧水でごまかしたけれど、制服にこびりついていた誰かのそれを、嫌がるふりをしながら何度も臭いを嗅いでいた。
自分の知らない一面を暴かれるようで怖かった。
けれど……、
「んぅ、んくぅ~ん! やん、やぁ、スゴ、あ、だめ……いぃ……あ、あ、あぁん!」
もぞもぞと動くそれに耐え切れなくなった柚子は、自分から腰を勝則にぶつけていた。
ぺひゃんぺひゃんと情けない音と、周囲の笑い声。たまに聞こえる勝則の苦しそうな声は、じょじょにピッチを早め……。
「あぁ……いくぅ……」
背後では勝則がかってにびくびくっと震えて途絶えてしまった。
「えぇ……もう……」
ぽっと出た言葉に後悔した。いくら自分から腰を振っていたとして、言うべきではない言葉がある。慌てて飲み込むも、周囲はそれを聞き逃さず、二番バッターがゴムで覆われた息子の手入れを始めている。
「そんなにがっかりしないの。すぐに次のを入れてあげるから……」
「きゃあん!」
お尻をがっちりつかまれ、先ほどより細いが長く、やや右曲がりのそれがぬるりと入ってくる。
両膝ががくがくする。再びテーブルに突っ伏するも、それだけでは足りず、顔すら見えない男にすがるように手を伸ばす。
「お? お?」
男はそれに応え、両手と股間の三点で支えだす。
「ふぅぅ~ん……はぁ、ひゃぁ……あぁん……やぁ……くぅっ!」
嬉しそうに泣き叫ぶ柚子は薄目を開けながら、空に舌を突き出す。よだれが端からだらだら垂れ、薄い陰毛の生え際、結合部からも同じように垂れ始め、半脱ぎのジャージに沁みる。
「んお、すげ、こいつ、まじ、やべ……」
敏感になっている柚子の膣は今度こそしっかり絶頂に導いてもらおうとねっとり絡みつき、彼女自身、隠すことなく彼に腰を押し付ける。
「だって、まじやべえぞ、ほんと、コイツのマンコ、すげえからんでくるし、うわぁ……いきそう……」
ミーハーな女子に黄色い声を掛けられる秀雄とのセックスはたまに想像をしたりもした。もちろん、こんな無理やりではなく、彼が自分を求めてくるという都合のよい妄想で。
「んぅ、秀雄先輩、すごいぃ……」
いくらレイプ同然とはいえ、彼のような甘いマスクの男にされるのは意味が違ってくる。クラスの女子が「秀雄先輩かっこいいよね」などといっているのを知っており、中には彼に処女を捧げたいとのたまう子もいた。そんな子達の気持ちを尻目に、自分は彼と繋がっている。そして感じ、感じさせられ、脳裏には無数の火花が散って、徐々に視界も歪んでいくというのだ。
柚子は上半身を起こし、彼に熱っぽい視線を送り、舌先を突き出す。
「何? キスして欲しいの?」
「や、ちがうのぉ~……」
腰をもごもご動かしながら、当然期待していた。
「いいよ? ほら……」
秀雄は口を大きく開け、だらんと舌を伸ばしてくる。しかし、肝心のキスは舌先がちょんと触れておしまい。代わりに上半身をぎゅぅと抱きしめられ、突き上げが早くなる。
「やん、やん、やん、やぁ……、あぅ、あうん! くぅん! きゃふん!」
飼い主を待つ馬鹿な犬のように喚き、再沸騰する快楽に取り込まれる柚子。
フェラのような一方的な奉仕ではなく、相互の快楽にそろそろ達しかねないともう一度キスを求めて振り返る。
「柚子ちゃん、気持ちいいんでしょ?」
「らって、せんぱいの、ながくってぇ……、すごく、いいんだもん! すごく、きもひ、いい! いいよぉ!」
抱擁が強まり、うなじにキスをされる。本当は唇に欲しかったが、すこし強く歯を立てられたことで我慢する。
「はぁ、はぁ……もう、らめ、らめなのにぃぃぃぃ~! かんひひゃうぅぅぅ~!!」
彼の腕が肩に食い込む。そしてびくんと大きくなるのを膣が感じる。
「やっ! だめぇ!」
舌足らずな声がきりっとなる。つま先立ちになる彼女はテーブルに手を突き、精一杯背伸びをしているように見えた。
「ぐぅ! かっはぁ……」
しばし動かずの二人だったが、秀雄が柚子にもたれかかったのを機に、そのままテーブルに倒れ込む。
「はぁはぁ……、あぁん……いぃ……よぉ……」
秀雄の唇が彼女の耳を噛んだとき、彼女は再び絶頂に達していた。
続く