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23_後編


 おかしい。
 というか、おかしい。
 なにがおかしいかというと、例の駐車場の件だ。
 帰りの時間を教えたのがつい先日だったわけだが、今度はいつ使うのかを教えて欲しいといわれたんだ。
 普通そんなのあるか?
 いくら安いといってもそれは変だろ。
 そんな使う側を縛るようなやり口、ありえないっての!

 俺は解約でもしてやろうかと思った。

 ……が、今から新たな駐車スペースを探すのも大変だし、それにここまで格安な物件もないわけで、検討中。
 本当は教える必要は無いんだが、とりあえず仕事に行くときと夕方に買い物に使うとだけ言っておいた。
 まさか俺が帰る頃には連絡しろとか無いよな?

~~

 その日は夜勤の仕事があったせいで、遅くに車を使う必要があった。
 やっぱり注射場には例の不良たちがいる。
 どうしたもんだろう。貸しビルのほうはまだ明かりが見えるし、声をかけていこうか? いや、そんな必要ないだろ。
 最近は俺の顔をあっちも覚えてるようだし、近づくと勝手に逃げて行ってくれるところがある。
 だから大丈夫。うん。だいじょう……ぶ?

 俺が注射場に近づくと、何かが見えた。
 街灯に反射して点のような明かりが見えた。
 何だろう。
 ちょっとした好奇心でそれを見ていたんだ。
 それは……、

 注射針?

 ――やばい、隠せ!

 そんな声が聞こえたのもつかの間、俺は背後に迫る気配に振り返り、そして……、

~~

 気付いたときには朝だった。
 頭ががんがんしてアルコール臭い。やけに喉が渇く。
 二日酔いだろうか? だとしても昨日は仕事……、いやどうでもいいや。
 眠いのになんか気が荒立つ。けれど、やる気が無い。
 なんだろう。
 変だ。
 風邪? いやインフルエンザだろうか?
 そう思うと身体がブルブルと震えてくる。
 俺は携帯を取り出すと、会社に急病の旨を伝えることにした。
 電話の向こうではかなり喚く声が聞こえてきたが、小鳥のさえずりみたいでわけがわからない。
 とりあえず俺は俺の言いたいことを伝えた後、こっちから電話を切って家に帰った。
 とにかくとてもすごく非常に眠いからだ。

~~

 炊飯ジャー。
 昔、ごはんを入れたままにしていたのを忘れてて、そのまま酷い結果を招いたことがあるんだ。
 夏場だったからすぐに腐って黴てさ、すぐに捨てて洗うべきだと思ったんだけど、俺はどうしてかそれをそのままにしてしまったんだ。
 そしてしばらくたって開けたらウジが沸いてるの。なんとなく小蝿が多かったとは思ったけど、理由はそれだったんだ。
 汚い物に蓋をするっていうか、見たくない、先送りした結果なのさ。

 というか、最近はこの緑色の親指大の小人のような蝶々のようなそういうのがうざったい。こんなに気分がいいのに、こいつらが出てくるといらいらする。

 ……しょうがない、ちゅうしゃじょうに行くか。

 最近、いらいらすることがあると俺はちゅうしゃじょうに行く。
 最初はあの不良共をおっかながっていたが、今ではすっかり仲良くやっている。
 ただ、彼らは俺と違ってあの緑色の親指大の小人のような蝶々のようなそういうのを見ないというんだ。
 代わりにピンク色の平べったいまりものような子犬がきゃんきゃん吼えるのがうるさいとかいっていた。
 変な奴らだ。そんな犬いるはずがないのに。

注射場 完

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