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葉月真琴の事件慕_17

 下手に一人たたずむ真琴。
 階下ではまだ由真と警察の話す声が聞こえており、青いビニールシートが見えた。
 隅っこに放置された四角い箱のような椅子。一郎が何かを入れていたのを思い出し、そっと開ける。そこには今日の台本があり、マーカーでしるしがつけられている。
 ドアを確認しようとしてやめる。もう閉める必要も無く、また開けておく理由も無い。
 続いて小さいほうの扉を見る。
 扉についている窓から観客席が伺え、薄暗くなる舞台はさめざめとしていた。
 一旦開き、止め木で固定する。
 再び柵のところへと戻り、今度は大きなほうのドアを開き、止め木で固定する。
 床に這い蹲り、そして……。
「これだ……」
 おおよその見当をつけた真琴だが、その表情は浮かない。
「真琴!」
「あ、澪……」
 ずかずかと歩み寄る幼馴染を迎えるように歩みだすが……、
「このスケベ!」
 出迎えたのは容赦ないビンタ。
「痛い~、なんでぶつのさ……」
 頬を押さえながら涙目に呟く真琴。
「自分の胸に聞いてみなさい! ほら、いつまでもうろちょろしてないで、帰るわよ!」
「うう……」
「まぁ、アレは真琴君が悪いかな……」
「ポン助がエッチなのがいけないもんね……。ポンスケベ」
 それに追い討ちをかけるかのように、梓も真帆も冷ややかな目で真琴を見る。
「え? え? あ!? いや、違うんだってば、ビデオはそういう意味じゃなくて!」
 ようやくことに思い至った真琴だが、追いすがる澪の背中は限りなく遠く感じられた……。

続く

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