断言する真琴に梓は同意したのか、強く頷く。
「そう……よね。さすがにこれはおかしいもん。私、真帆のこと説得してみる。変なことに首を突っ込まないように釘刺しとかないと……」
梓はそう意気込むと、まずは大好物のお揚げにかぶりついた……。
**――**
六月の第二週、日曜日の早朝、相模原市の球戯場では、ソフトボールの試合が行われていた。
第一試合は相模原高校対桜蘭高校。真琴は一人澪を応援すべく、グラウンドに足を運んでいた。
――澪、どこだろう?
だが、肝心の澪の姿が見えない。仕方なくベンチのほうへと向かい、知り合いの一年部員に声を掛ける。
「あの、桜井さん。澪……じゃなかった、香川先輩はいないの?」
「え? ああ葉月君。また香川先輩? ほんと熱心ね……」
冷やかし混じりの桜井瞳だが、直ぐに困ったように首を傾げる。
「それが、なんか来てないのよ……。昨日の練習は来てたんだけど、どうかしたのかしら?」
「昨日から? 嘘……」
「ほんとよ。こっちが聞きたいくらいだわ。先輩達は皆ちっこい彼氏とご就寝とかいってるけど、違うの?」
「ち、違うよ。でも……ありがと。それじゃあがんばってね!」
真琴はそう言うと、グラウンドの隅っこのほうへと走り、携帯を取り出す。
澪の携帯に掛けるも電源が入っていないと返される。仕方なく彼女の家に電話をすると……。
『え? 真琴君の家じゃないの?』
と、澪の母から驚きの返事が返ってきた。
「僕の家?」
『ええ、だって昨日、試合に備えて真琴君と一緒に練習してるからって……』
「僕と……」
確かに澪の練習に付き合ったことはある。けれどそれは中学生までの話。今は彼が彼女の技術についていくことが出来ず、付き合う機会は無かった。
『澪に何かあったの?』
「はい、それがどこにもいないんです」
『え!?』
電話の向こうでは息を飲む声が聞こえ、小声で『どうしましょ』と困惑している声がした。
「警察に届けましょう。僕、澪に電話してみますから!」
真琴はグラウンドを駆け出し、電話を澪に掛ける……。
続く
六月の第二週、日曜日の早朝、相模原市の球戯場では、ソフトボールの試合が行われていた。
第一試合は相模原高校対桜蘭高校。真琴は一人澪を応援すべく、グラウンドに足を運んでいた。
――澪、どこだろう?
だが、肝心の澪の姿が見えない。仕方なくベンチのほうへと向かい、知り合いの一年部員に声を掛ける。
「あの、桜井さん。澪……じゃなかった、香川先輩はいないの?」
「え? ああ葉月君。また香川先輩? ほんと熱心ね……」
冷やかし混じりの桜井瞳だが、直ぐに困ったように首を傾げる。
「それが、なんか来てないのよ……。昨日の練習は来てたんだけど、どうかしたのかしら?」
「昨日から? 嘘……」
「ほんとよ。こっちが聞きたいくらいだわ。先輩達は皆ちっこい彼氏とご就寝とかいってるけど、違うの?」
「ち、違うよ。でも……ありがと。それじゃあがんばってね!」
真琴はそう言うと、グラウンドの隅っこのほうへと走り、携帯を取り出す。
澪の携帯に掛けるも電源が入っていないと返される。仕方なく彼女の家に電話をすると……。
『え? 真琴君の家じゃないの?』
と、澪の母から驚きの返事が返ってきた。
「僕の家?」
『ええ、だって昨日、試合に備えて真琴君と一緒に練習してるからって……』
「僕と……」
確かに澪の練習に付き合ったことはある。けれどそれは中学生までの話。今は彼が彼女の技術についていくことが出来ず、付き合う機会は無かった。
『澪に何かあったの?』
「はい、それがどこにもいないんです」
『え!?』
電話の向こうでは息を飲む声が聞こえ、小声で『どうしましょ』と困惑している声がした。
「警察に届けましょう。僕、澪に電話してみますから!」
真琴はグラウンドを駆け出し、電話を澪に掛ける……。
続く