:-:
――どこだろう……。
非常灯の明かりが照らす上手、人の気配はない。
二人は控え室に居るとメールにあったので、澪はひとまず控え室のドアを開ける。
キィと小さく音を立て、ドアは難なく開いた。だが……、
「むー、ん~!」
くぐもった悲鳴は梓のモノ。澪は即座にスイッチを弾いた。
「梓!」
蛍光灯の明かりの下、そこに現れたのは両手両足を縛られた梓と真帆。ご丁寧に口には猿轡がかませてある。
「なにがあったの? 今外してあげるから!」
澪は二人に駆け寄ると、まず猿轡を取る。
「澪、逃げて! 早く!」
梓は猿轡を取られると同時に口角から泡を飛ばして叫ぶ。
「逃げてって、こんな状況で逃げられるわけ無いでしょ! ほら、二人とも……」
続いて戒めをとろうとする澪だが、背後に人の気配がして……。
「くっ!」
梓の苛立ち混じりの声に振り返る澪。そこにはチェックのシャツとジーパンという野暮な恰好の男達が居た。
「誰! まさか、あんた達が……」
この状況でニヤ付いた男達を見れば、彼らが二人を監禁した犯人だと直ぐにわかる。
澪は手にしていたケースからバットを取り出し、強く握り締める。
「いいのかな? そんなもの持って……」
「何がよ!」
「いや? 二人が酷い目に遭うかもよ?」
「そんなこと、させないわ!」
気勢を張る澪だが、男達は狭い控え室を包囲するように歩いてくる。
「来ないで!」
澪は手近な男にバットを振るうが、小太りの男はおおげさにそれをかわす。そして、その隙に……。
「いや、離して!」
まだ身動きの取れない真帆が男達に捕まる。
「ちょっと、離しなさいよ!」
澪はバットを構えるが、真帆を盾にされては振りかぶることしか出来ない。
「やだ、離して!」
そして目を離した隙に梓も捕まる。
「く、卑怯よ!」
真帆と梓を盾に澪を挟み撃ちする男達。
やがてバットを奪われ……。
続く
「むー、ん~!」
くぐもった悲鳴は梓のモノ。澪は即座にスイッチを弾いた。
「梓!」
蛍光灯の明かりの下、そこに現れたのは両手両足を縛られた梓と真帆。ご丁寧に口には猿轡がかませてある。
「なにがあったの? 今外してあげるから!」
澪は二人に駆け寄ると、まず猿轡を取る。
「澪、逃げて! 早く!」
梓は猿轡を取られると同時に口角から泡を飛ばして叫ぶ。
「逃げてって、こんな状況で逃げられるわけ無いでしょ! ほら、二人とも……」
続いて戒めをとろうとする澪だが、背後に人の気配がして……。
「くっ!」
梓の苛立ち混じりの声に振り返る澪。そこにはチェックのシャツとジーパンという野暮な恰好の男達が居た。
「誰! まさか、あんた達が……」
この状況でニヤ付いた男達を見れば、彼らが二人を監禁した犯人だと直ぐにわかる。
澪は手にしていたケースからバットを取り出し、強く握り締める。
「いいのかな? そんなもの持って……」
「何がよ!」
「いや? 二人が酷い目に遭うかもよ?」
「そんなこと、させないわ!」
気勢を張る澪だが、男達は狭い控え室を包囲するように歩いてくる。
「来ないで!」
澪は手近な男にバットを振るうが、小太りの男はおおげさにそれをかわす。そして、その隙に……。
「いや、離して!」
まだ身動きの取れない真帆が男達に捕まる。
「ちょっと、離しなさいよ!」
澪はバットを構えるが、真帆を盾にされては振りかぶることしか出来ない。
「やだ、離して!」
そして目を離した隙に梓も捕まる。
「く、卑怯よ!」
真帆と梓を盾に澪を挟み撃ちする男達。
やがてバットを奪われ……。
続く