FC2ブログ

目次一覧はこちら

……タイッ!?_06

ハジメテ

 今ここにいる面々に共通すること。それは、意外にも全員異性を知らないという事。
 知識ばかり先行して実体験に基づかない妄想は膨らむばかり。体験学習の機会もない必須教育は、実地でこなしたものからの口伝や印字された情報、たまに画像、動画で紹介されるも、どれもリアルが無かった。
 だからこそ、期待している。
 愛理と和彦のセックスに……。
「先生さあ、したいんじゃないすか?」
 悟の声はどこか上擦り気味だったが、それでも状況に飲まれて喉がからからで声も出ない里美より冷静であった。
「したいって何を?」
 唇の交歓を中座して彼を見る。おそらくファーストキスであろう行為に興奮しているのか、その声は若干の媚を含んでいた。
「セックスですよ、セックス」
「えぇ……それはまずいよぉ……」
 頬が朱に染まるのは、セックスに対する羞恥心からなのか、それとも好意を寄せる男子とのハジメテを迎えるにあたっての期待からなのか?
「だって、佐伯君、やだよね? こんな十も年上の女なんてさ……」
 ――しかも処女でしょ? 膜じゃなく蜘蛛の巣でも張ってるんじゃない?
 不謹慎な状況にあってそれを受け入れようとする顧問に、里美もいいかげん腹が立ってきた。
「先生のこと、好き……です。だから……です」
 俯く和彦の両頬に手を添え、上を向かせる愛理。そして首を傾げながら唇の端を少しだけ持ち上げ、パクパクと唇を動かす。
 読唇術など持ち合わせているはずもない彼らだが、大体の意味は分かっている。
 それだけに視線は和彦に集まるわけだが……。
「僕、先生のこと……好きです。だから、オナニーなんかじゃんく、ちゃんとセックスしたいです!」
 視線に後押しされたのか、和彦は普段見せたことが無いくらいにしっかりとした様子で宣言した。とはいえ、衆人環視の中での性行為なのだが……。

**――**

 ピンクのジャージの下にはグレーのTシャツとスプライトのブラが透けて見える。
 見た目高校生と見間違えられるほどの愛理だが、着痩せしているのか胸のボリュームはかなりあり、シャツを脱ぐと同時に周囲から感嘆のため息が漏れる。
「先生、オッパイでかいっすね……」
 ギャラリーの前で惜しむことも無く、スプライトのブラにしまわれた両の乳房を見せる愛理に、悟もたじろぎを見せ始める。
「うん。でも肩が凝るからやなのよね……」
 一度は言ってみたい台詞に里美は思わず自分の膨らみかけの胸元を見つめるが、愛理のを谷間というならば、自分のは丘程度もない。
「先生の……、触っていいですか?」
「うん。いいよ……、ん、……あぁ……」
 ゴーサインと同時に両手でワシっと掴み寄る和彦に、反射的に苦悶とも取れる声が聞こだす。
 痛いのだろうか? 強いのだろうか? それとも……?
 愛理の眉は険しく皺を作るばかり。しかし、声質は徐々に高まる一方。そこから導き出される結論は……やはり……、
「ん、ぅうぅ……、あ、和彦君……そんな、強く……されても……なんか、変なのぉ……」
 胸を弄られる感覚とはどのようなものなのか? 未だ男子に身体どころか心も許していない里美には想像もつかない。
「先生の、すごく柔らかくって、汗で、しっとりしてて……それに……触るだけで……」
 出しっぱなしの陰茎がピクンピクンと揺れるが、それは徐々に触れ幅が大きくなる。
「どう……したの? 和彦君?」
 胸を揉んでいただけの和彦の様子は、明らかにおかしい。
 下唇を噛み、爪先立ちになりながら何かを我慢しているように見えたが、しばらくするとかかとを落とし、そのまま愛理の両肩に手を置き……、
「先生、僕……僕!」
 陰茎の先端からぴゅぴゅっと白い液を迸らせた……。
「きゃっ! また? またなの?」
 胸元を汚す白濁液にも馴れた素振りで弄ぶ愛理だが、挿入前の射精にはさすがに苦笑い。
「和彦君、あんまり早いとキライになっちゃうぞ?」
「え、そんなの! 僕、まだ出来ます! だから!」
 言う通り、彼の陰茎は先端からは透明な汁を垂らし、天井を向いている。
「そうかしら? 二回も出してさ、本当に大丈夫?」
 薄ら笑いを浮かべて彼を軽蔑する愛理。もちろん挑発行為なのだろうけれど、初体験に燃える好奇心と部員一同に恥ずかしい瞬間を見せてしまった和彦にとっては起爆剤どころではない。
「愛理先生!」
「わぁ!」
 和彦は愛理に飛び掛るように押し倒し、夢中で胸元に顔を埋め、くちゅくちゅちゅぱちゅぱ音を立てる。その様子はイヌが飼い主にじゃれているようにも見え、どことなく微笑ましい。ただ、卑猥な右手が乳房を揉むのを止め、ジャージのズボンを潜り始めたとき、一転した。
「あ、きゃ……だめ、ん、いた……い……?」
 愛理は身体の内側から沸き起こる痛みとは違うむず痒さに戸惑いながら、彼の行為をヤンワリと咎める。しかし、熱の入った和彦には、押し返す手の平にすらそそられるらしく、鼻息だけを強めていった。
「うん……んぅ……和彦……君……」
 少年の胸元を押し返そうとしていた手がわき腹を擽り、ついにはその後に回る。
「先生……愛理……愛理」
 彼の手がジャージを下ろしたとき、彼女の手は投げ出され、視線は天井へと移った。
 すっかり抵抗が無くなった愛理に若干のつまらなさを覚えつつも、和彦は上半身を起こし、人生初となる女性器を拝もうと黒いヒラヒラしたショーツに手をかける。
「和彦君……なら、いいよ」
「先生……」
 今日まで会話らしい会話も無い二人。ろくなアドバイスも出来ない指導者と期待のかかる選手では知識のレベルが違う。
 年上好きな和彦からしてみればチャンスなのに。
 年下好きな愛理からすればチャンスなのに。
 お互いどうしても続く言葉が出せず、愛想笑いに終始していた。
 が、それよりももっと確実で短絡的な言語。
 肉体による交歓は、二人の距離を一気に近づけた。
 そして、もう後戻りも出来そうにない。
 すでに和彦のモノは二回出してはいるものの、それでも目の前で酸味のある匂いを放つ淡い花弁のような入り口の女陰は、魅力的であり、彼を誘っていた。
 一歩踏み出す。
「ん…………そのまま」
「痛い?」
 だが、もう一歩踏み出す。
「んーん、大丈夫……」
 ならばもう一歩踏み出す。
「そのまま来て……」
 切ない声に誘われてもう一歩、もう一歩。
「ん、ああ……」
 亀頭が女陰に飲み込まれると、滑らかな愛液に促され、奥へと飲み込まれる。
「ああん!」
 和彦が腰に力を入れると、それに呼応して愛理の甘美な悲鳴が部室に響く。
 先ほどまで自慰をしていた少年達だが、二人の愛の行為に飲まれたのか、はたまた呆れたのか、声も出せずにいる。
「ん、やぁ……和彦君……和彦君の、あたしの中……はいってくるのぉ……」
 じたばたと両足で床を叩きながら、愛理は何かを堪えている。しかし、男の背に回す腕には力がこもり、彼の背中を強く抱きしめていた。
「あ、あぁ、先生の、きつい……もしかして……」
 根元数センチ残して陰茎を咥え込む彼女に対し、ある違和感を覚える。
「うふふ……秘密……内緒だよ?」
 人差し指を和彦の唇にひとさし指を立て、そのままキスをする。
 愛理が飲み込んだもの。そんな些細な秘密など、今もうすぐをもって消滅すること。そして、公然の秘密でしかない。
「あ、和彦君の……、ぴくってなった。すごい、あたしの中で、んぁ! やぁ……、きゃん!」
 破瓜の痛みよりも愛しい男の子とのセックスによる興奮が、彼女からノイズを除去し、快楽の色を強めていく。
「せんせ、せんせ……愛理せんせ……」
 目をきゅっと瞑り、彼女の上で前後する和彦の姿は単調な作業の繰り返し。性衝動をそのままぶつける彼に、愛理はある満足感を覚えていた。
「ん、んぁ、気持ち……いい? 和彦君。いいでしょ? 愛理のなか? ハジメテなんだよ? 和彦君がハジメテ……」
 公然の秘密を自ら告白するも、彼の後頭部に手を回す愛理の瞳にはぐしゃぐしゃな顔をした男になりたての和彦しか映っていない。
 目から涙をこぼし、口の端から粘液質の唾液をこぼし、彼女の胸元を汚す。鼻の頭に玉のような汗をかきながらも必死に彼女を求める彼に、愛理は快楽を拒みながら笑顔を向け、ジャージの裾で彼の顔を拭う。
「ん? 先生? 先生?」
「和彦君の可愛い顔が台無し……」
「だって、それは……」
「でも、私だけの和彦君……」
 男のモノを女で咥え込み、少年のままの彼を胸に抱く。
「ん、あ……もう、先生……僕……」
 性教育の実習なら、しっかりとコンドームをつけるべき。膣内射精をしなければなどという、間違った性知識を教えてはいけない。
 今からゴムをつけるべき? しかし、快感がそれを拒む。
 初めてにして、生まれでた欲求。
 男を受け入れてみたい。
 そんな好奇心から。

 ――今日は安全日。
 ――しかし、教育者として?
 ――だけど、一人の女として?
 ――んーん、違う。
 ――あたし、彼のこと………………。

 ――ウフフ、あたしって悪い女ね。

「あ、イク、先生、僕行くよ。放してよ……」
 絶頂を迎えつつある彼は拙い性知識の精一杯の避妊をしようと、快楽の蜜壺から自身を抜こうとする。
「ダメ、最後まで、したいのぉ……」
 鼻にかかる声だけで男を誘い、手は投げ出してしまう。足を解き、彼の自由にさせる。
「せん……せ?」
 亀頭があたると少し痛い程度の恥骨の辺りが、キュンと締まった気がした。
 和彦は背筋を寒くさせる快感と与えられる熱にほだされ、最後の理性を投げ捨て、彼女ののめりこむ。
「先生……僕、僕……うぅ、あん、くぅ……」
 投げ出された手にしがみ付こうと、必死に伸ばす和彦を愛理は再び抱きこみ、指先の一本一本をしっかりと絡ませあう。
 荒い息のなか、和彦の引き締まったお尻の肉がピクピクと動き、それが留まってもなお彼等は息を整えることをしなかった。

**――**

 部室を出た里美は無口だった。それは田辺や五十嵐も同じこと。
 結局愛理と和彦は繋がったまま、置いてきた。というか、声をかける気になれなかった。
 では何故声をかけられなかったのだろうか?
 理由は簡単だろう。

 怖かったからだ。

 初めて目にしたセックス。
 愛理と和彦は互いに愛し合い、ごく自然なそれであった。
 しかし、それはお互いだけのことであり、ギャラリーからしてみれば卑猥というよりも醜悪な行為でしかない。
 ダラダラと粘液を振り乱し、奇声を上げる二人。
 アダルトビデオのイメージを抱いていた男子のそれらは、射精もせずにげんなりと首を倒していた。
 五人は誰からとも無くため息をついていた……。

続き

Trackback

Trackback URL
http://13koharu.blog73.fc2.com/tb.php/71-42260516

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール

小春十三

Author:小春十三
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ

創作検索ぴあすねっとNAVI
dabundoumei
trt
オンライン小説/ネット小説検索・ランキング-HONなび  
リンク予定


二次元世界の調教師様のサイトです。



無料アクセス解析