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ビアンカを追って_13

 世界博物館を目指して飛ぶリョカはふらふらしつつ、上下して速度が一定でない。そのせいか暴風に乗るだけのジャミにも追いつかれてしまう。
「リョカ、待ちなさい! どうして私から逃げるの!」
「ビアンカ! 今はそれどころじゃないんだ。フローラさんのお産が!」
「おさん……!? まさかリョカの!」
 険しい顔となるビアンカは、右手を天へ向けると魔力を凝集し、リョカへ向ける。しかし、制御ができない魔法はあさっての方向へと飛んで行く。
「貴方ってひとは! 一体何人の女の人を!」
 若干の勘違いのあるらしいビアンカは怒り心頭らしく、魔法を乱発する。それはどれも下位の魔法ではあるが、魔王の力故、すさまじい。さらに空中であるため、もし一撃でも受ければ海へと落ちてしまう。
「誤解だ! フローラさんの子は僕のじゃない!」
「でも貴方はその人と結婚をしたのでしょう! それなら貴方の子でなく誰のだと言うの!」
 嫉妬に狂うビアンカは聞く耳を持たず、さらに炎を放つ。
「まぁ、リョカさんたら罪なお方ですこと……」
 まだ苦しそうな彼女だが、こんな時も皮肉は忘れない。
「今は黙って!」
 なれない魔法の制御をしつつ、ビアンカの嫉妬の炎をかわすリョカ。だんだんと距離も狭まり、もう少しで世界博物館というところで回り込まれる。
「リョカ、その人を諦めなさい。そして私と来るの……。それが私と貴方の幸せにつながるの……」
「それはできない。君こそ僕とともに来るんだ。君の魔王の力を封じてもらって……」
「私が魔王の力を失ったらどうやって均衡を保つの?」
「均衡? なんのことだい?」
「さあ、二度目はないわ。私ととも来て……おねがいよ……」
 最初の威圧的な態度もなく、懇願する様子のビアンカ。ジャミはその様子から顔を背け、それでも耳を動かしていた。
 そのおかげか、遠くから放たれた光にいち早く気づき、高度を上げる。
「リョカ~~!!」
 聞きなれた声が響き、翼竜がやってくる。そしてふらふらするリョカとフローラを背中に乗せる。
「シドレー! 一体どこに居たんだい?」
「ああ、ひどい目に遭ったぜ。偵察にいったらあの馬面……まあ馬やけど、あいつにぶっ倒されてたんや。この黒鉄の鱗がなかったらやばかったかな? その分、速度はでなかったけど」
「いいさ。それより君はフローラさんを世界図書館へ連れて行ってくれ。お産が始まりそうなんだ……」
「なんやて!? ほなリョカも!」
「僕はいけない……。ビアンカを止めるんだ!」
 リョカはそういうと再び時の精霊を纏い、前面に出る。
「けど、テリーはんもいないのに、リョカだけで大丈夫か?」
「ああ、僕だけでいい」
 遠くから見ていたことである程度の状況を知っているシドレーはここにとどまることでフローラに危険があるのも理解できる。彼自身は鋼鉄を身に着けているようなもので大抵の攻撃ならびくともしない。けれど、それに乗るフローラは別。さらにいえばその子にも触るだろう。
「わかった。けど、絶対戻って来いよ? 約束やで」
「ああ、僕が約束を破ったことあったかい?」
「……約束したことないわな」
「そう。じゃあ、これが最初さ」
 リョカはビアンカへ向かって飛ぶと同時にシドレーも世界博物館へと飛んだ。

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