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……タイッ!?_15

……シタイッ!!

「どう? あたし……、変じゃないかな?」
「ん? 何が?」
「だから、中……」
「わかんないよ。僕、これが初めてだから……」
 膜越しに感じる彼女の内側は熱かった。より純粋な体温を持つ膣内部は彼をあおり、複雑な柔突起で弄っていた。
「んあん! えっと……ね、あたし、君が初めてじゃないけど、でも、あ、不安なんじゃないからね? ただちょっと、君が不安になるかもって思ってね。だから、変だったら教えて欲しくて……」
 くねくねと腰を動かしながらころころと表情を変える理恵に、紀夫は奥歯を噛み締めながら一言ずつ言葉を選ぶ。
「んーん、理恵さんは変じゃないよ。すごく温かくってイタズラで、すぐに僕のこと気持ち……良く……して……ん、あ、ううぅ……」
 しかし、袖口を掴み震えだす紀夫。女子に馴れたとはいえ、それは日常会話のレベル。肌の密着は別次元の出来事であり、彼女の熱いと息が前髪を揺らす度にお尻の穴がヒクヒク動き、コンドームの中で惨めな我慢汁を溢すのがわかった。
「ね、理恵さん……僕、僕もう!」
「きゃん!」
 泣きじゃくるように彼女にしがみ付き、ビクビクと肩を揺らす紀夫。「はぁはぁ」と短く素早い呼吸を繋ぎ、彼女のブラウスに唾液のシミを造る。
 下半身で渦巻いていたわだかまりが爆発し、全身に寒気を伴う電流が駆け抜ける。視界にそれが届いたとき、彼の陰茎は独自の人格を持って行動を始め、彼女の中で収縮を繰り返した。
「ん、なに? もういっちゃったとか? はーやーいー! うふふ、あはは……」
「ご、ゴメン……へ、えへへ、あはは……」
 またも哂われるも、彼女の屈託の無い笑顔を見ていると何故か笑いがこみ上げてくる。
「うふふ……ねえ、これじゃあさ、追試じゃない?」
「うん」
「まだできるよね?」
「うん、お願いします」
「はい、それじゃあセックスのお勉強を始めようね?」
 理恵は腰を上げ、ヌルリとした感触を彼に押し付けながら身体を離す。
 無様な白い濁り汁を湛える膜を脱がせベンチに投げ捨てる。代わりにもう一つ包みを取り出し、彼の逸物に滑らせる。
「ん、ん? あれ? んぅ、上手くいかないわね……。ねえ、動かないでよ?」
「うん」
「あん、もう、動いちゃダメだってば!」
「ゴメン」
 先ほどから微動だにしない彼なのに、何故か手間取る理恵。原因は射精をしたばかりで青臭い匂いを放つそれの熱気に中てられたせい。
「ん、あれ? もう、動くから……よし、できた……っと」
 本当は理恵もセックスに慣れていない。ゴムに手間取る様子と小声の告白を聞けば紀夫にもそれが伝わってしまう。
「ありがと、理恵さん」
 お互い一杯一杯だと知ると変な余裕が生まれてしまう。
「んもう、今笑ったでしょ?」
 その緊張のほころびが口元を緩ませたらしく、理恵は目ざとく指摘する。
「そんなこと無いよ」
「ぜったい笑ってた!」
 口元を歪ませ頬を張る彼女は幼い可愛らしさが残る。
「だとしたらそれは嬉しいからだよ。だって理恵さんとこんなことできてさ……」
 けれど下の口はヌルヌルと卑猥な汁を垂らし、男を奮い立たせる。
「もう、調子いいんだから!」
 そういうと理恵は腰を上げ、自ら彼の逸物を咥え始める。
「ん、ぬくくぅ……」
「あ、ひぅうん……んはぁ……」
 下を向く二人は目を瞑り、訪れる圧迫感と相手の鼓動に身をゆだねる。
 二度目の結合は先ほどより滑らかで、ぎちゅると不快な音を立てて重なり合った。
「なんか、不思議……すごく安心するの」
「そう? 僕はすごく焦っちゃう」
「なんで?」
「だって、理恵さんのこと……」
「もう! そのだれだれのこととか言うのやめなよ。君の悪い癖だよ? もう少し自分のこと楽しみなよ?」
「でも……」
「でもじゃないでしょ? ハイ! それでいいの」
 鼻の頭をちょんと弾かれると涙が出る。
「はい……」
「あ、だけど、あたしのこと、気持ちよくさせてくれなきゃやだよ?」
 思い出したように言う彼女はついでに腰を動かしてネチャネチャ音を立てる。
「ん、うん……。理恵さんのこと、気持ちよくさせた……いっ!」
 射精後の亀頭は痛みを持っているがそれでも甘い締め付けを感じて我慢汁を出してしまう。
「ほらまたー!」
 気付かないうちにまた「~のこと」。紀夫は小さく「ゴメンなさい……」と呟く。
「んーん、いいよ。君はあたしのためにしてよ。そうしてよ。信じさせてよ……」
「うん。がんばるよ……り……がんばるよ」
 また言いそうになったのを飲み込むも、理恵は気付いていない。
「君は怖くないでしょ? 嘘つかないでね? お願いよ?」
 何か思い出すように遠い視線を向け、念じるように言う彼女。
「うん。僕理恵さんの力にもなるから、だから信じてよ」
 安請け合いと思いつつ胸を張ってしまうも、薄い胸板は理恵の手が遊ぶ度に震えてしまう。
「うふふ。そんなんじゃ彼女できないよ?」
「やっぱりたくましいほうがいいの?」
 互いの二の腕を見比べても同じ程度、やや白い分だけ紀夫のほうがひ弱に見える。
「そうじゃないの。君って肝心なところがわかってないからさ。んーとセフレ止まり?」
 ――肝心なことってなんだろ?
「いいから、ね、今は……お願い……」
「うん……」
 彼女を抱きかかえ、腰を突き上げる。知識の乏しい紀夫の格好だけのセックスを理恵は「へたっぴさん」と笑う。その度に彼は「こう? こうかな?」と角度を変えて彼女を抉る。
「ん、そうかも……あ、あぁん、んぅ……うん。だんだん良くなってるよ……、ああ、いぃ!」
 理恵が肩をすくめると膣内部がそれに連動しきゅっと締まる。不意を突かれた紀夫は一気に射精感を強めてしまうも、すんでのところでそれを堪える。
「うう……、はぁ……んぅ……」
「あ、あ、いい、いいかも……うん、大丈夫。このままシテよ」
 錆とペンキの剥げかけた部分の目立つベンチは揺れることも無く、二人の振動を受けていた。
 灯りが遠いせいか二人の姿は夜の闇に隠れる。それでも互いの息遣いが荒くなるコトでそれを補完する。
 きっと目の前の人は自分に夢中。
 そんな自惚れと一緒に。
「あ、理恵さん……僕、もう、すぐ……」
 抑えが効かなくなりつつある紀夫はギブアップを宣言する。
「待って、あた……あたしも……一緒に、このまま……お願い!」
 甲高い叫び声も夜に溶け、二人はより強くお互いを抱きしめあう。
 張り詰めた男根が根元まで女陰に飲み込まれると、身中の奥から溢れ出る快感に硬直してしまう。
「……んぅ!」
「……あふぅ!」
 しばし呼吸を忘れて頬を擦り付けあう二人。
 溜めるに溜めた熱い汁がゴムの中で迸り、膜越しにその熱を受け取った膣はそれを促そうとうねった。
「やっ、くう! 理恵さん!」
 何から何まで初めてづくしの紀夫は、あまりに強い快感につい彼女を拒否してしまう。けれど放心状態にある理恵は彼にもたれかかり、紀夫もまた快楽に活力を取られ、されるがままに絞られていた。
「あ、あっ……あぁ……」
 尿道を駆ける精液の様子が分かる。熱く、そして勢いのある射精。一人で楽しむ分にはそうそう感じることの無い爽快感と脱力感。
 このまま流されてもいい。そ思っていた。
「ん……あぁ……うふふ、イッタの? しょうがないね。そーろー君は……」
「ゴメンなさい。でも理恵さんは?」
「あたしは……まだまだ満足してないよ?」
 薄ぼんやりと見える彼女の表情は、唇を粘液質の唾液で汚し、うっとりと涙を湛える目をしていた。
 その淫蕩に浸かった表情を見て紀夫は確信していたが、彼女がそういうのならそれを信じてあげるべきと敢て何も言わなかった。
「う、うぅん……っと。はぁあ、それじゃお終いね? 久しぶりだから楽しかったよ」
 ゆっくりと腰を挙げ、ぬちゃりと音を立てて別れを告げる。暗いせいで見えないが、卑猥な糸が膝に触れ、微妙な温度を伝えてくれる。
 理恵はまだ立ったままの逸物から丁寧にゴムを外し、その量を見て「一杯出したね」と笑い口を縛る。
 まだ茫然としている紀夫だが、ベンチに投げ出された精の残滓を見て短くため息をつく。
 二度目の交尾にて女を満足させた充実感と「まだできる」と力む陰茎。日課というほどでもない彼の自己処理は日に二度することは稀で、未だ勢いを保つ分身が心強かった。
「早くしまいなよ。風邪ひくよ? 紀夫は馬鹿じゃないんだからさ……ニヒヒ」
「うん……」
 目の前では理恵がパンツを穿いていた。恥らうことの無い彼女はむしろ見せ付けるようにお尻を突き出し、しっとりとした尻肉を震わせていた。
 練習の度に目で追ってしまうお尻。先ほどの行為ではあまり感じる暇が無かったが、おそらくやわらかかったのだろう。指が食い込むほど柔らかいのに、筋肉なのか芯に張りと弾力のある美肉はきっと最高級。正直もっと丁寧に味わうべきと後悔してしまうが、見事なほど後の祭り。
「紀夫、初めてにしては上手だったね」
 ボタンを留めなおし、制服を正す。
「うん……うん」
 しかし、紀夫は一向にたたずまいを直そうとせず、ただぼんやりと彼女を見つめるだけ。
「今度さ、またお勉強させてあげるね? 結構あたし達、身体の相性いいかもしれないしさ……」
「そう? そう思ってくれる?」
「うん。だってあんなにキモチ良かったんだもん。そうじゃな……きゃ!」
 肯定されると同時に男は行動していた。
 突き飛ばすように女の背を押すと、お尻を持ち上げてせっかく穿いたパンツをずり下ろす。
「何する気? ちょっと、紀夫?」
 不意の行動に軽く戸惑う理恵だが、紀夫はそれを無視していきり立つ逸物を濡れそぼった穴にねじ込む。
「んくぅ……!」
「あぁ……」
 交尾の再開に喜悦とも驚きとも取れる声を漏らす理恵。奥までねじ込まれると降りてきた子宮に先端がぶつかり、内部がキュウと収縮しだす。
「うわっ! すごい、締め付け……」
「んふぅ、なんで? 何でしちゃうの? 明日また……してあげてもヨカッタのにぃ……」
 理恵は背後から攻め立ててくる男を弱々しい右手で押しのけようとするも、ぎっちり掴まれた腰は抜けられそうに無く、前後の運動が先ほどまでの時間を取り戻し始める。
「ん、だめ、なんで、すごいよ。キモチイイけど、だめなのぉ……」
「だって、理恵さん……すごい、けど、それに、まだ……満足してないんでしょ!」
 射精後の痛みのある陰茎で彼女を突く。何度も、力強く、奥を目指して……。
「ああん、いいよぉ……、けどやだー」
 快感の方が若干強いのか理恵は尻を突き上げる格好になっていく。紀夫はそれを了承と受け取り、ただひたすら、欲望のまま突き上げる。
「理恵さんのお尻、我慢できないよ。エッチだし、柔らかいし、形、いいし……」
 最近のもっぱらのオカズである理恵のお尻を揉みしごき、ひんやりとした汗で手を滑らせる。
「ん、くふう、やっぱり、紀夫も……男の子……んーん、男だね……」
「僕だって、したいとき、しちゃうさ……」
「んふ、怖いなあ……紀夫……」
 相変わらず右手は紀夫を拒もうとしているのか、なんども彼の腰、膝辺りを叩く。
「そうでしょ? だから……あぅ、理恵さんもぉ、これからは男を……、挑発しちゃだめだよ?」
「……うん。かも……」
 しおらしくなる理恵を前に紀夫は勢いをとどめず、腰に触れる手を払いのけ、行為に集中する。尻肉を揉みしごく。今度はしっかりとその柔らかさと適度な弾力を持つそれを味わい、快楽と興奮を強める。
「お、おね……がい……。やめ……て……ね? 紀夫……お願い……」
「理恵さん……、やっぱり……だめ?」
 裏返る声でも拒否されることで血の上っていた頭がいくらか冷静になる。腰の動きを止め、名残惜しげに理恵の背中に手を入れてさする。
「だって、君、ゴムしてないもん……」
「あ、そっか……」
 すっかり冷静さを取り戻した紀夫は、思わず腰を止めてしまう。そのあまりにあからさまな態度に、理恵は「しょうがないなあ」という風にため息をつきつつ、くすりと笑う。
「違うの……、これ使ってよってこと。わかるでしょ?」
 先ほどから差し出されていた手を取ると、そこには例の包みが一つ握られていた。
「うん!」
 紀夫は嬉々とした様子で頷くと、ようやく彼女から離れた。その姿は覚えたての自慰に耽るサルを連想させるが、幸いなことに深まった闇が隠してくれていた……。

**――**

「ああ、ううん……、はぁはぁ、ふぅ……」
 荒い呼吸を重ねる二人。ベンチに手をつき「フ」の字になる理恵に覆いかぶさるようになる紀夫は、彼女の制服を捲り上げ、うっすらとブラの痕が残る背中に自分の胸を押し付けていた。
「やあん、なんだか背中がべっとりするう……」
「理恵さんだってすごい汗だし、あそこもヌルヌルだよ……」
 暖めあった二人の体はどちらも噴出すように汗をかいており、ヌメリ気を増していた。
 互いの汗が混じりあい染み込むのを享受し、一体感を強める二人。
 理恵が背中を捩り舌唇を懸命に突き出すと、紀夫もそれに応じて舌先を突き出す。
「あぅ!」
 一瞬触れ合っただけでも敏感になっている二人は歓喜の声を漏らしてしまう。
「ん、やだ、キスぐらいでね……」
「うん、キスぐらい普通……」
 下半身ではじゅっぽじゅっぽと卑猥な音を立てる二人なのに、唇の逢瀬はいかにも初心を装って顔面を熱くする恥ずかしさを楽しんでいた。
「あ、わぁ!」
 理恵の身体が弛緩し始め、その手がベンチの背もたれから外れる。
「大……丈夫?」
 紀夫は彼女の二の腕を取るも、理恵はそのまま前のめりになってしまう。
「……う、ううん……あぁ、深いよぉ、紀夫のがぁ……かはぁ!」
 倒れこむ理恵を紀夫が引っ張る形になり、肥大した逸物は彼女の中の大切な部分を荒々しくノックしていた。
「わ、あぁあああん! んう、んあ、んわぁ! きゃあ!」
 腕を振り、身体を捩る理恵だが彼女の膣内部は大きく荒れ狂い、紀夫の陰茎をこれでもかというぐらいに締め上げた。
「あ、ああ! うわぁ! 理恵さん、理恵さん!」
 先ほどより強い締め付けと荒れ具合に紀夫はバランスを崩し、彼女の腕を掴んだまま後ろに倒れこむ。
 草の茂る頃のせいか尻餅をついてもそこまで痛くない。ただ、一緒に倒れこんだ彼女の淫唇は彼をさらに咥え込み、魅力的な尻肉を押し付けていた。
「あ、理恵さん、僕、イク、いきます!」
「あああん! 理恵もぉ、理恵もいくのー!」
 熱い本流が再び膜の内側に射出される。やはりその熱さに驚く女体は身を縮こまるようにして自らを抱きしめる。すると背後から頼りない腕が回り、さらに自分を抱きしめてくれる。
「ん、ああん、もう……紀夫ってば離してくれないの? んでもそれ、ポイント高いよ……」
 満足した様子の理恵はその腕にそっと触れる。
 もっとも男はただしがみ付くものを探していただけであり、例えベンチであっても彼は抱いていただろう。当然それは内緒の話だが……。

**――**

 ――理恵さん、怒ってないかな?
 グラウンドで一人、紀夫は悩んでいた。
 本来なら今日も理恵の補習に付き合っているはずだった。
 行為の後、理恵は送られることを拒んだ。当然といえば当然だが、「また後からされちゃこまるからね、うふふ」と笑われると自分の行為がいかがなことか伺えるというもの。
 原因は理恵にあるとはいえ、三度目は明らかに無理強いをしていた。
 これではレイプする側が陸上部男子からマネージャーに代わっただけのこと。それはつまり、里美との約束を反故にするのではないだろうか?
「なにぼーっとしてんのよ。ほら、早く洗濯物! それが終わったら倉庫からハードル持ってくる、早く!」
「は、はーい!」
 そんな葛藤を知らない綾はマネージャーにサボるなとばかりに号令をかける。一方紀夫はこれ幸いと部室棟へとしけこむことにする。
 さすがに昨日の今日で理恵に会うのは心苦しく、今日は里美にもあまり話しかけなかった。もちろん何時までも逃げおおせることではないが。

**――**

 部室棟の隅っこで洗濯機を回す。普段の練習ぐらい学校指定のジャージでよいのではと思う彼だが、昨日感じた理恵は意外と汗の匂いがした。
 思春期、性長期にある自分達の新陳代謝は活発で、自分では気付かずとも他人と肌を合わせる距離になると気になるものということを知った。つまり、ジャージは頻繁に洗えないから、そのためにユニフォームを着用しているのだ。
 ただ、彼はお風呂で汗を流した後、理恵の残りがが無くなるコトを寂しいと思う気持ちもあった。
 ――ヘンナノ……。
「あ、ここに居たの?」
 背後から声。振り向くとユニフォーム姿の理恵がいた。
 フンワリしたポニーテールを揺らし、少し大きめな眉をゆがめているところを見ると、その怒りが見て取れる。
 紀夫は昨日のことを言われるのだろうと身を硬くする。
「んもう、なんで来てくれないの? おかげで今までかかっちゃったよ」
 しかし、彼女の怒りは別にあったらしく、どこか笑いながらズイズイと彼に近寄ってくる。
「ゴメン」
 鼻をちょんと弾かれるとくしゃみがでそうになる。
「いい? ノリチンはあたしの家庭教師でもあるんだから、ちゃんと来てくれないと困るの!」
「はあ……。ていうか、ノリチン?」
「だって紀夫だもん、だからノリチン。いいと思わない?」
 あだ名をつけられることは往々にしてある。ただしそれらは「ノートン」だの「代打」だの陰口に近いものしかなかった。その意味、「ノリチン」は悪くない気がした……が、
「紀夫は元気なチンチンだからノリチンね」
「……え?」
 指を立てて得意気になる彼女に、紀夫は眉をしかめる。
「ちょ、やだよ、そんな名前。今までどおりマネージャー君でいいじゃん」
「あら、昨日はあんなにがんばってくれたのに?」
 幼い雰囲気を纏う彼女の下からの上目遣いは、意外にも大人びていた。
 開いた首から胸元が覗ける。今日は灰色のスポーツブラで、ちんまりした膨らみに突起が見えた。
 喉をゴクリと鳴らすと「えっちぃ」と笑われるが、それでももう少し見ていたいと思う彼がいる。
「それにぃ、今までの関係なんかむりじゃない?」
「そう? そうだね……」
「だから、ね!」
 急に理恵の顔が上がると、そのまま柔らかい唇で反復授業。目を丸くするところを見られたのならきっと補習決定。
「んふふ、まだまだ甘いね……ノリチン。あたしグラウンド行ってるから……」
 彼女は唇を手で押えながら走り出す。それはきっと彼女なりの照れ隠しなのだろうと思いつつ、紀夫もそれを反芻していた。
 柔らかい唇と意味深な台詞。
 理恵とこれからはどういう関係になるのか?
 期待をしてしまう彼が居たが、
「何してたの?」
 里美の低い声にそれも一時中断。
「なんか理恵が走ってたけど、アンタ理恵に何したの?」
「何も? 何もしてないよ」
「嘘、なんか親しそうに話してたけどなあ」
 どうやら話し声を聞いていたらしく、その突っ込みは容赦が無い。
「ち、違うよ。僕はただ……、そう、ジャージが裏返しだったからって笑われただけだよ。というか、大体理恵さんが僕なんか相手にすると思う?」
「うーん、それもそうね。でも、アンタの役目はマネージャー兼男子の見張りだからね? 女子に手を出すことじゃないんだから、変なこと考えちゃ駄目よ?」
「うん。わかってるよ。香山さん」
 時すでに遅く且つ、耳に痛い忠告をされる紀夫であった……。

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