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……タイッ!?_25

開始

 女子八百メートル予選開始。
 あたしはスタートラインにつき、目を閉じて三数える。高校初戦がいきなり総体っていうのは驚いたけど、中学の時だってそれなりだったもん。だからいける。
「位置について……」
 合図と同時に地面を蹴る。でも絶対に焦っちゃいけない。これは短距離走じゃない中長距離走。ペース配分がモノを言う競技。ただ走るだけじゃない!
 ――パンッ!
 空気砲の音とともにいっせいに走り出す。それと同時にあたしはトップに躍り出る。コレがマラソンの類なら先頭集団についていくのもあり。ここが中距離走のメンドイところ。二分弱、風に晒されるのは辛いけど、壁の後にいくわけには行かない。

 トラックを一周した。

 残り四百メートル。背後に目はないけど、結構距離がある。気配で分かるし。
 ならあとはペースに気をつけるんだ。
 オーバーワークする必要は無い。だってコレはあくまでも予選。目的は次にあるんだから!

**――**

「……まさか、ヤリ逃げとかしないよね?」
「え? だって、今から香山さんの試合……」
 ズボンを穿き直す紀夫を呼び止める紅葉。彼女は服を正さないどころか、別の色のゴムの包みを咥えていた。
「もう少しあるでしょ? 三分ぐらい……」
「三分って、そこまで早くないですよ……」
 男としての矜持を傷つけられた紀夫は、むっとした様子で答える。
「私のここ、君のでよくしてもらいたいな……」
「そんなの後で……」
 ふさふさした陰毛に囲まれた女陰。滴る蜜とそれをかき回す細い指先。それを救い上げては乳首に塗りたくり、ぬらぬらとしたテカリを見せる。
「だーめ、い・ま・し・た・い・の……」
「けど、応援……」
「そんなに里美ちゃんのこと気になる?」
「はい」
 口では拒むものの下半身は既に力んでおり、着替えの手も止まっている。
「ねえ、このこと里美ちゃんにばらしてもいい?」
「それは困ります……」
「私が実は二人の内緒話聞いててさ、しかもマネージャー君をはむはむちゅっちゅしてましたなんて言ったらどうなるかな」
「辞めてくださいよ。脅すなんてずるいです……」
「もう私の体も大分ほぐれてるしさ、多分五分もしないでいっちゃうよ? ちょっとばっかし我慢して私を抱いてくれればいいんだよ? もっかいイッテもいいしね……」
 黙っている代わりにセックスをしろ。
 相手は充分な美人であり、身体の発育も良い。
 むしろ立場が逆なのではないかというシチュエーションだが、彼の目の前で自身を弄る淫らな女子は確かに秘め事を望んでいる。
 なにか裏があるのだろうか? それだけが気がかり。けれど既にエクスタシーを与えられている紀夫からすれば、それが二回になる程度のこと。すでに坂を転がり始めているのだしと割り切ることもできる。
「黙っててくれるんですよね。もちろん、他の人にも……」
 床にへたり込み、背中を壁にもたれるもみじに近寄り、ズボンを下ろす。彼女の眼前に逸物を差し出し、ゴムをつけてもらう。
「うん。けど、質問があるの……」
「なんですか?」
 細い指先のイタズラを受けながら、この際怖いものも無いと鷹揚に頷く紀夫。
「里美ちゃんのこと好きだよね?」
「はい?」
「嫌いじゃないよね?」
「ええ……けど」
「友達以上?」
「多分……」
 親友ぐらいならそうかもしれない。少なくとも共通の悩みとそれに立ち向かう同盟関係が結ばれているのだし。
「ならよし! ほら、来て……」
 行為に及ぶ男女の会話としてはいささか不審なもの。
 紀夫が里美を気にするのはマネージャーであることとつい先ほど交わした口約束からだが、紅葉が気にするのはどういうことだろうか?
 とはいえ、そんな疑問は後回しと、紀夫は彼女の腰に手を回す。
 今からするのはあくまでも口封じの為。約束を守ってくれる保証などないが、今は一刻も早く里美の応援に駆けつけたい。そのためには紅葉を満足させるしか……。
 与えられた言い訳を無理矢理に鵜呑みにしたあと、紀夫は自身を彼女に突き立てる。
「あ、ああぁん!」
「うぅっ!」
 窓は開いたまま。けれど人気は無い。だから平気で大声を上げる。
「はぁっ! はぁっ! あぁ! んくぅ……はぁ……」
 奥から溢れる蜜を頼りに必死に貫く。汁と空気が混じりじゅるりと音を立てた辺りで窓をバチンと閉める。埃臭い倉庫で二人身体を重ねるのはあまり雰囲気のあるものではないが、他人に見られたい欲求も無い。
 それに、たまに自分を見上げる紅葉の獲物を見る表情が好きだったから、邪魔をされたくなかった。
「ン……はぁ、ね、え、マネージャー君……君、どう?」
「どうって、すごい、気持ちいいです……」
「そ? でもさ、んぅ……あのさ、君はさ、好きでもない子とセックスしてるんだよ?」
「そんなの……そんなこと……今いう事じゃ……」
 フリーセックス。自由なパートナー選びなど誰でもやっていること。セックスは避妊を気をつければ一番安く済む男女の込みニュケーション。
「マネージャー君のオチンチン、さっきよりいいよ」
「そうですか?」
「興奮してる?」
「そりゃまあ……先輩とできるなんて思わないし」
 何時人が来るか分からない倉庫ということもあってか、確かに興奮している自分がいる。ただ、十数分の会話の後ではそれも和らいでいる。なら今分身をいきり立たせるのは?
「浮気してるから……でしょ?」
 心中を稲妻を走らせる言葉。
「浮気なんて……してません……」
 自分は女子にもてはやされるタイプの人間ではない。それは充分に知っている。けれど、何故だろうか? 胸が痛み、それに半比例するかのように怒張が荒ぶる。
「っていうか、むしろ里美ちゃんが君を好きなのかもよ?」
 楽しそうな視線を送る紅葉は紀夫の手を握る。
「そんなこと……」
 握り返すと爪を立てられる。
「なのに私とエッチする君。浮気症だね……」
 特殊な環境、タイミング、心の隙間風が原因で気持ちが近くなることもある。理恵の場合はそうでしかないと自分に言い聞かせてある。それは里美との関係も同じ。けれど、期待する自分がいる。
 もし、桜蘭の男女比が一対一なら今の関係などありえない。里美は別の頼もしい男子と歩き、理恵もきっと自分をテスト対策のノート程度にしか見ないだろう。
 ――馬鹿みたいだな。僕は……。
 紀夫は彼女の背中に手の平を押し付けると、そのまま体重を乗せて彼女の体勢を低くさせる。彼女が四つん這いになったところでお尻を掴み、角度を変えてねじ込む。
「んぁああああんぅ……やだ、奥にきちゃうよぉ……」
 切なげな悲鳴を聞くとそのまま流されそうになる。紀夫は彼女の両肩を抱き締めて堪えたあと、自分も腰を落とし膝立ちの姿勢で乱雑に腰を前後させる。
「はっはっはっ……っ!」
「んっ、んくぅ、あ、やぁ、やだ、はやっ、い、いぃ!」
 細かい呼吸と一緒に責めあげると、紅葉もそれに呼応するかのように声を漏らす。
「あ、駄目、だめ、もっと、もっと……したいのに……」
「先輩、紅葉先輩……いいですか? いいんでしょ?」
 駆け引きをすれば泥沼にはまるだけ。彼はただ無心で彼女を求めることにした。
「ん、あぁん、ズルイ……あん、やだ、男の子……いいよぉ……マネージャー君の……ばかぁ……」
「俺だって、やれば……できるでしょ……」
「うん。マネージャー君……私、いかされちゃいそ……」
「だから……なら!」
「そんなに里美ちゃん……気になるの?」
「ええ、すごく……」
「そうなんだ……あ、あう……んぁ、うん、楽しい!」
 上半身を起こして振り返る紅葉はキスを求めようと唇を窄める。紀夫も雰囲気に飲まれ、その唇を求めて前にのめりこむ。
「ん、んぅ……ちゅぅ……」
「はむ、んちゅ……はむ」
 キスをすると目を瞑ってしまう。理恵に誉められたのが原因だと哂っていると、紅葉は気に障ったのか、わき腹を抓ってくる。しかもそのくせお尻で擦り寄ってくるのがいじらしく、求めに応じたくなる。
 が……、
「ん、あぁ……はぁ……い、いく……かも……」
 根元が不意に締まったと思うと紅葉はどさりと床にへたりこむ。
「もみじ……さん?」
「……ん、んぅ……もう、イカサレチャッタ……」
「そう……ですか……」
 まだ少し快感の足りない紀夫はビクビクしている紅葉の身体を名残惜しそうに撫でる。
「あら、君はイッテないの? いいよ? 私のこと使っても……」
 けだるそうに脚を開くと、くちゅぷと糸を引く。
「あ、あ、あ……はい……使わせてください……」
 開かれた身体にのめりこむ様に倒れる紀夫。紅葉は彼の背中に手を回すと、赤子をあやすように撫でた後、耳元にキスをする。
「ん、はぁ、先輩の、すごく、トロトロで、気持ち良くさせてくれます」
 腰をぐいぐいと突き出すと苦しそうな声が聞こえる。絶頂に達したばかりの身体には負担なのかもしれないと思いつつ、湧き上がる衝動に耐えることをしなかった。
「ごめんなさい、先輩、こんな、でも、すごく、だから!」
「うん。いいの。コレはお詫びみたいなものだし……」
 舌先で耳たぶをつつーと舐りながら呟かれる。
 ――お詫びってなんだろ……けど、今は、そんなことより……。
 紅葉は既に達しているのなら、この行為はあくまでも紀夫の自由意志。その事実を振り払うように激しく求め、背筋を仰け反らせる。
「う、うぅ、う……うぅ……」
 陰茎の根元までを入れてもまだ先が見えない。もっと奥を目指したい。紅葉の中を知りたい。そんな欲求も大きな津波と化した快感に流され、青いゴムの中で静かに脈動し始めていた。
「あ……あぁ……はぁ……」
「イッタの? うっふふ、良く出来ました……」
 目を開くのも億劫な紀夫の髪を紅葉は軽く梳く。
「先輩、なにが、お詫び?」
 瞼が重く、薄目を開けるのも一苦労。それでも平静を装うために先ほどの疑問を口にして時間を稼ぐ。
「私、ちょっと変なのよ」
「知ってます」
「そうじゃなくて、男の趣味よ……」
「はぁ?」
 それはつまり自分が変な男ということであり、どちらかと言うと嬉しくないことで……。
「安心しなよ。君が好きってことじゃないからさ……」
 紅葉に好きになってほしいわけでは無い。けれど、恍惚の時を与え合った仲でまったくそういう感情が無いというのも味気ない。
「はぁ……」
 女子の目線からの戦力外通告を受けた紀夫は一人前にため息を着き、がっくりするついでに彼女の中くらいの丘に顔を埋める。
「んでも、ちょっぴり好きかもよ? 君次第だけどね……」
「はぁ……」
「なによそのリアクション。もっと嬉しそうになさいよ!」
 髪を梳いていた手が紀夫の下腹部に回り……、
「いたっ……」
 軽く抓られ、ふふっと笑われてしまう。
「もう、からかわないでくださいよ……。それじゃあ僕、じゃなかった、俺はもう行きます。その、内緒にしてくださいよ。このこと……」
「どうしよっかな? また脅迫しちゃおっかな……君次第でね……」
「そんな……」
 身支度を整える間は背を向ける。嬉しさ半分な自分を見せないようにするためと、これ以上からかわれないように。
 一体何が自分次第なのかはおいておき、もうすぐ始まるであろう里美の試合を応援する為に、紀夫は一人倉庫を後にする。
 背後で紅葉がなにか呟いていたとしても、それは聞き流して……。

続き

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